第九回講演の集い 7・3
テーマ 釜ヶ崎と医療
サブタイトル 野宿労働者(ホームレス生活者)への
医療支援はどこまで来たのか
趣旨 釜ヶ崎では、93年に結成された「釜ヶ崎就労・生活保障制度実現を目指す連絡会」(釜 釜ヶ崎反失連))によって勝ちとられた、釜ヶ崎55歳以上の労働者を対象にした「高齢者 特別清掃事業」の、事業の財政的裏付けとなってなっていた国の「緊急地域雇用交付金」 は、昨年度打ち切られました。又「ホームレス自立支援法」に基づき、各地方自治体で 策定された「実施計画」の実行を保証する「ホームレス対策予算確保」を迫る請願活動も 審議されずに終わっています。釜ヶ崎では、従来1日250名の労働者の「特別清掃事業 」の雇用枠は215名に減少するという厳しい今年度が始まっています。 一方でそのなかで、設立された「就労支援センター」がやっと活動を開始しはじめまし た。私達「釜ヶ崎講座」は昨年12月「野宿労働者・ホームレス生活者と仕事」をテーマにフォーラムを開き、「公的就労要求と自らの新たな仕事つくり」を討論してきました。今後もさらに運動をすすめていく必要があります。 さて府下8660名(1998年)を数えるホームレス生活者の生活を考える時、彼ら・ 彼女らの「健康問題は」大きな問題です。今だ大阪市内だけで年間200名を越す労働者が「路上死」(野垂れ死に)を追いやられている厳しい現実があります。一方で、釜ヶ崎労働者・野宿労働者への「健康問題」への取り組みは、このの3年余り黒田研二大阪府立大学人間社会学部長の黒田研二教授線を主任研究者とする、健康調査・健診活動それを基礎とした健康相談が開始され、一方で同時期より府下全域への「巡回医療相談」や「巡回医療」も開始され始めるなど、大きく取り組みが変化してきています。 労働者が高齢化していく中で、さらに野宿を強いられる厳しい生活の中で「健康状態」を自ら理解し、対策を労働者と医療関係者などが伴に考えていくことは「いのちをまもる」うえで大切なことです。 「釜ヶ崎講座」は、今回この間行われている健康調査、診断活動の概要を捉え返し、「釜ヶ 崎労働者」「野宿労働者」の健康問題を共に考えていくフォーラムを開くことしました。釜 ヶ崎労働者(野宿・ホームレス生活者)の健康問題を伴に考えていきませんか。半日とい う長い日程ですが、皆様の積極的な参加をお待ちしています。
内容
1.「野宿労働者―ホームレス生活者の現状と対策の問題」
    島 和博(大阪市立大学 創造都市研究科教授)


2.「ホームレス生活者の健康実態」
  2年間の健康調査・生活実態調査(ホームレス者の医療ニーズと医療保障システムのあり方に関する研究)を通して見えたもの。
    黒田 研二(大阪府立大学人間社会学部長)


3.健康障害の実態と医療支援の取り組みから

 @特別清掃事業登録者の健診・生活調査と健康相談事業、結核健診と結核対策か
    逢坂隆子(四天王寺国際仏教大学大学院教授)
    西森 琢
    (NPOヘルスサポート大阪、元NPO釜ヶ崎支援機構公衆衛生部門)

 A「歯科と栄養調査」から見えたものー社会医療センター入院者の調査より
  @、口腔状態について
     石川裕子(歯科衛生士))

  A、食生活・栄養状態 
     名倉 育子(大阪樟蔭女子大学学芸学部食物栄養学科助教授)


4.生活・医療支援の実践から
     ー「巡回医療相談」「巡回医療活動」「面接・相談」から見えたもの

  @「巡回医療相談」「あおぞら健康相談」等から、  
     黒川 渡(医療法人弘清会四ツ橋診療所)

  A「巡回医療活動を開始して」
     国境なき医師団日本・大阪と調整中

  B「巡回相談」から見えるもの
     調整中


5.各地、各国の健康支援活動の取り組みの現状

  @、日本各地の現状
     中山 徹(大阪府立大学人間社会学部社会福祉学教授)

  A、東アジアホームレス支援施策調査より見えた
    ソウル・香港・台北における支援施策の現状
     水内 俊雄(大阪市立大学 大学院 文学研究科教授)


6、総合討論 
日時 05年7月3日(日)12時〜17時
場所 大阪市立西成区民センターホール
(大阪市西成区岸里1-1-50)
TEL: 06-6651-1131
地下鉄 四つ橋線 岸里駅 A号出口
地下鉄 堺筋線 天下茶屋駅 西出口
南海本線高野線 天下茶屋駅 西出口

地図: http://www.city.osaka.jp/shimin/shisetu/01/nishinari.html
費用 資料代500円  
主催者 釜ヶ崎講座