第36回釜ヶ崎越冬闘争案内

仲間のみなさん!

 9月衆議院選での圧勝以降、小泉自公政権は新自由主義=弱肉強食の自由市場主義をグローバリズムとよびながら全世界規模で推し進めていこうとするアメリカに追随し、乗り遅れまいと、旧来の自民党政治を打ち壊し「小泉改革」を進めている。
 バブル経済の崩壊によって高度成長経済の最終的終焉をむかえて以降、日本経済界は短期的業績「目の前の利潤」ばかりを追及するアメリカ型の経営スタイルへと転換を図ってきた。労働基準法・労働者派遣法・職業安定法などなどの改悪によって400万人の正規労働者を減少させ、370万人もの非正規労働者を作り出してきた。非正規労働者は全労働者の34.6%、1500万人を超え、450万人のフリーターが存在している。このことは年収300万円未満の低所得労働者層を激増させている。と同時に、多くの失業者を生み出し、大失業時代を作り出し、多くの野宿する仲間を生み出してきたのだ。小泉政権は労働関係法の整備(=改悪)を推し進めて、退職金の積み立てや社会保険の企業負担削減など雇用関係の保護を受けられない非正規労働者を大量に作り出していくための「小泉改革」をおこなうだろう。
 一方でこの弱肉強食の自由市場主義は市場と資源を求めて「テロとの戦い」を口実とする侵略戦争へと突き進んでいる。基地提供から後方支援、後方支援から更なる基地の再編強化をともなった日米軍事一体化へと日米安保体制を再編するため平和憲法の改悪を射程に入れはじめた。
 このように選挙での圧勝を背景にひとり勝ちの様相を呈する小泉自公政権ではあるがさらなる年金の削減や増税は勤労大衆の生活に重くのしかかり益々困窮者層を増大させ野宿・路上生活者を増やしていかざるを得ない。そのうえ「改革」以上のスピードで彼らのシステムが崩壊しはじめウミが噴出している。マンション開発業者ヒューザーによる偽装設計事件は建築・不動産業界が弱肉強食の新自由主義市場で勝ち抜く為になりふり構わずに己の利益のみを追求してきたことの一つの結果である。そしてこの事件は同時に「小泉改革の民営化」の中身が日本ERIのように一部特権層=国家官僚の天下り会社に利益を分配していこうとするものでしかない事をも暴露した。日本道路公団の橋梁談合、成田空港公団の天下り先入札、WHO(世界保健機構)の不正融資などなど、まさに国家官僚と資本が結びつき勤労大衆の上にあぐらをかいて甘い汁を吸いつくせるだけ吸いつくそうとしている。
 我々はこうした情勢の下で益々困難な生活を強いられようとしている。
 センターでの現金求人数は低迷したまま、飯場へ行けばビジネスホテル並の飯代を搾り取る人夫出し業者によって飼い殺し状態におかれたままとなり,飯場を出る時に一銭のゼニももてないありさまである。大手ゼネコンやデベロッパーの一方的単価切り下げ、労働条件を無視したコスト削減競争を反映して駅手配などのヤミ手配が横行し、賃金不払いや労災もみ消しによって利益を確保しようという悪徳業者が増大している。仕事に行かなきゃ飯も食えず、仕事に行ってもその時に飯が食えるだけ、仕事にあぶれたとたんに野宿生活となる。労基署に駆け駆け込んでも時間がかかるだけで挙句の果ては支払いをしない相手に「何の強制力も持っていないので」と尻尾を巻いて逃げ出すだけだ。その上労働者派遣法を改悪し建設労働者も派遣労働者にしようと目論まれている。悪徳業者が益々はびこり我々はそのくびきに縛り付けられなければならなくなる。こうした労働関係法の改悪と闘うとともに悪徳業者との闘いにも争議を繰り返しながら勝ち抜く力を作っていかなくてはならない。
 また野宿をせざるをえない仲間たちに対しても「ホームレス自立支援法」に基づく支援もおざなりに、うつぼ公園や西成公園に見られるように「適正化」条項だけを持ち出した排除の攻撃がかけられている。今年8月に南職安跡地に開設された「ホームレス就業支援センター」もいまだ機能している状態には程遠く、緊急避難としての仕事=特掃も月に2回から3回ではまだまだ不充分でその拡大を勝ち取らなくてはならない。
 今年の夏から30年以上続いてきた一時金がなくなり、白手帳への締め付けも益々きびしくなっている。ここ数年1500から2000人ほどが減らされており今年の8月の段階では登録数6662まで落ち込んでおり12月末には5000台になることが予想できる。不正受給の摘発を名目におこなわれている手帳取り上げは更新時における高齢者への執拗な嫌がらせとなっており、その対象が高齢者の排除=「定年」宣告を目的としていることは明らかだ。我々にとっての定年の後に待っているものは「老後」でも「福祉生活」でもなく野宿・野垂れ死にでしかない。現場の地図まで描かせる就労証明を登録業者に書かせるように求めているが、あいりん職安に登録している業者のほとんどが建労法の元で黙認されてきた職安法違反の派遣業者(人夫出し)であり、彼らが派遣先の業者名を知っていることがあっても現場など知るはずも行ったことがあるはずもないのはあいりん職安自身がいちばんよく知っていることだ。まさに無理難題をふっかけて手帳を取り上げている。こうした新自由主義経済のもとで労働者の諸権利を奪っていく使い捨て労働行政を許してはならない。
 
 仲間のみなさん!
 年末年始の越年越冬期間は正月休みで仕事がなくなり、多くの仲間が出張や飯場からもどりドヤはいっぱいでやどがないとか、行政・医療機関が休みとなったりで、世間一般の正月気分のめでたさと違い釜ヶ崎の地は非常に厳しい時期となります。
 
 「安心して働き、生活できる釜ヶ崎を!」をテーマに
 
* 越年対策をやらなくてもよい施策を!
* 野宿をしなくてもいい仕事を中心にした支援策を!
* 生活保護の改悪を許さない!
* 軍事基地はいらん!平和憲法を守れ!
 
 を掲げて「仲間内からひとりの餓死・凍死者も出さない」越冬闘争を作っていこうではありませんか。来年からの我々の闘いの課題を高々と掲げて越冬を闘いぬき、現役バリバリの仲間も高齢の仲間も野宿する仲間も団結を打ち固めていきましょう !!
 
 
第36回釜ヶ崎越冬闘争スケジュール
12月19日 支援連帯集会 18:00 集会 西成市民館
12月23日 8:30 センター前拠点作り 医療センター前
12月25日 越冬突入集会 18:00 映画上映「座頭市」 三角公園
12:00 炊き出し 三角公園(25~30日まで 毎日1回)
21:00 布団しき 医療センター前(26日よりpm7:00から毎日)
21:45 医療パトロール 医療センター前(毎日)
12月29日〜30日  8:00〜12:00 南港臨泊受付  市立更生相談所(am5:00頃〜整理券)
12月30日 報告集会 18:00 集会 三角公園
20:00 人民パトロール 医療センター前(3日まで毎日)
12月31日 越冬まつり 14:00 卓球大会
8:00
12:00
18:00
炊き出し 三角公園 (3日まで毎日、一日三食)
1月 2日 越冬まつり 9:00 餅つき 三角公園
18:40 素人のど自慢大会 三角公園
1月 3日 越冬まつり 14:00 ソフトボール大会 三角公園
19:15 さんしん・エイサー 三角公園
20:00 人民パトロール (最終日)
1月 4日 対市・府お礼参りデモ 8:00 デモ出発 センター前
8:30 炊き出し 三角公園
1月 5日〜10日 19:00 布団しき
22:00 医療パトロール


   05・12 府・市に対する要望書   

 就労対策に関する要望書

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