〜ともあれ旅は始まった〜

8月17日〜18日(大阪市西淀川区ー京都府舞鶴市)


8月17日(木)晴れ・雨

 原付で北海道一周というプランを思いついたのが二年前、とうとう、というかようやく出発の日がやってきた。ここまでの道のりは決して平坦ではなっかた。まず大学受験。おれは高校の修学旅行で北海道に感動し、大学に入ってまとまった休みができたらバイク(当時原付免許しかなかったので必然的にそれは原チャリだった)で来ようと決心した。だから受験勉強のモチベーションのすべてをこの北海道ツーリングに見出していたと言っても過言ではなかった。つまり「大学に入ること=北海道ツーリングすること」だったのである。また、夏のはじめ装備品チェックをかねた「しまなみ街道・尾道・津山」ツーリングの大失敗による肉体的・精神的ダメージによってモチベーションがかなり低下した時期も経験した。さらにパートナーの突然の怪我による離脱。それでも二年間温め続けた夢は捨てきれず、この日を迎えたわけである。

 荷物の最終チェックを終え、エンジンをかける。午後3時すぎ、勢いよく道路にとびだした。大阪は連日最高気温35,6度を超える猛暑が続いている。まあこの暑さも今年はこれでお別れか、と思いつつ、一路、北海道航路の玄関口である京都府舞鶴へ、走りなれた道ではあるが何かいつもとは違って見える国道176号線を北へ向かう。しかしここでいきなり渋滞に巻き込まれる。いつもなら原付の身軽さを利用してすりぬけるのに今回は荷物満載なのでクルマについて行くしかない。しかもこのどこから見ても逃亡犯スタイルはかなり人目を引いてしまう。好奇心旺盛な大阪のおばちゃん達の冷ややかな視線を感じながらやっとの思いで街を抜け出した。そして見馴れた六甲の山並みを後ろに見送り、北摂・丹波の山々をローギアでゆるゆると登っていく。

 そして綾部から国道9号線に入り、午後7時すぎ、思ったより早く舞鶴市に到着した。着いたとたんにものすごい夕立が襲う。いきなりの手荒いはなむけだ。雨が止み、フェリーのりばに到着すると、あの船着場特有のほのかオイルの匂いのなかをもう大勢のライダー達が北の大地を走るのを待ちきれない様子で荷物を積みなおしたりエンジンをふかしたりしている。そのうちの一人に声をかけ、出航まで北海道談義に花が咲く。そして午後11時半、バイクを船に載せるといよいよ出航だ。ここから約30時間かけ小樽港へ向かうのである。そしてライダー憧れの地、北海道に思いを馳せながら眠りにつく。

本日の走行距離

129km

今日の家計簿
項目 品名 価格
給油 レギュラー5.2L 573円
夕飯&船内朝飯 弁当

サンド


ロールパン


カール

1218円
嗜好品 ビール 280円
合計 *

8月18日(金)晴れ 

 船のエンジンの音で目が覚める。今日は丸一日海の上だ。デッキに出てみると視界360度水平線で島影はおろかほかの船さえない。まるで外国に赴く感じだ。船室に戻ると隣で寝ていた学二人組が声をかけてきた。彼らも関西の大学に通っていてなんと彼らも僕と同じ原付で北海道を一周間ほど周る予定だそうだ。しばらく原付ならではの苦労話トークなんかに花が咲く。

 それにしても今日一日何もできないことはわかっているのに何か落ち着かない。なんとか早く北海道を走りたい気持ちを抑えてうろうろしたりごろごろしたりしてとても長い一日が過ぎる。今日はかなり早めに床に着く。なにせ明日はもう北海道の大地をかけまわっているのだ。


穏やかな日本海をひたすら北へ…

本日の走行距離

0km

今日の家計簿
項目 品名 価格
昼飯 明治プッカ
パン
お茶×2
580円
夕飯 ビーフカレー 600円
嗜好品 コーヒー 120円
合計 *

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Y.K