鈴鹿サーキット東コースにて開催されていた「スピードチェア」に参戦したCZ150Rです。2000年5月から趣味で作り始めて、0〜50mに参加したりしましたが、さしたる成果は残りませんでした。2001年から鈴鹿本コースでスクーターのタイムアタックレースが開催される事を知り、参戦と更なる改造を決意しました。それから、色々トラブルもありましたが、手を加え続け、この仕様になっています。
 
'01〜'06スピードチェアクラス(東コース)戦績 18戦中 成立10戦、優勝5回、2位4回 リタイヤ1回

スピードチェアクラス・東コース公式コースレコード保持車 タイム 1'07"442 (樹立日:2004年9月12日)

残念ながら、'06で東コースでのスピードチェアクラスは廃止(参加台数が少ない事による)になりました。


自分でも中途半端とは思います(スピードチェア最終戦でも2位でした・・・)が、ノーマルフレーム号でのレース参戦は、ひとまず休止します。今後は他車フレームにCZエンジンを搭載したNEWマシンで更なる速さを追求する予定です。




シリンダー:DT200WR改
シリンダーヘッド:DT200WR改

シリンダーは面研と水路変更、ポート加工して使用。スタッドボルト位置が同じなので、比較的載せ易いです。ヘッドも水路変更、燃焼室全面加工、面研して使用。気候によって圧縮比違いのヘッドを使い分けています。

クランクはO/Hと長いコンロッドに換装、ケースはDT−WRシリンダー用に拡大加工。







チャンバー:KRS製ワンオフ(DTシリンダー対応)
リヤサス:カヤバMGS305+アダプター
リヤホイール:グランドアクシス
フレーム:補強

チャンバーはDTシリンダー対応型。カバーカットしないと装着出来ませんが、性能優先の為には仕方無かったです。一応、保護用にスライダーが付いているけど、効果のほどはわかりません。12インチホイール化にはケースカット、その他モロモロの作業が必要です。








キャブ:PWK28改(スローエア通路加工)
マニホールド:オリジナル(12インチ対応)
リードバルブ板:FRP製
リードバルブブロック:ノーマル通路加工
チョークノブ:ワイヤータイプに変更

割と細かく手が入っています。吸気もちゃんと仕事するように、と言う配慮からです。まだ、煮詰めるべき箇所は残っていますが、まあまあのレベルでは無いか?と思います。次のステップとしては、インマニ長の最適化とキャブの大径化があります。スペース的には苦しいモノがあるけれど、性能最優先でいきたいと考えています。





ブレーキキャリパー:TZR250R
ディスク板:マグナ50加工
フロントホイール:NSR50加工
フロントフォーク:マジェスティ加工
ステアリングステム:CZシャフト+マジェブラケット
Fマスターシリンダー:VTZ

サーキット走行にはディスク化が必須です。12インチ化ついでに、マジェフォークに換装しました。ステムシャフトはCZのまま、マジェのブラケット部を組み合わせてます(かなりカバーカットも必要)。キャリパーもボルトオンのTZR250Rにしました。






ケースカバー:キック取り付け加工
駆動系:マジェプーリー、オリジナルSP(センター、
クラッチ共)、トルクカム角度変更、クラッチ軽量化、
ハイギヤ化
リヤブレーキ:ハンド化(旧マジェワイヤー使用)
ラジエター:'90NSR250R改
シート:TZ250ラバー付き
YEC水温計、デジタルタコメーターも装備

走る為に仕方無い最低限しか手を入れてないのですが、変更点は多くなりました。苦労も多かったです。「物作りは難しい」とわかっているつもりなので、開発者に敬意を表して、出来るだけオリジナルルックスを残すように心がけました。





 
スクーターファン誌Vol.15に私のCZ150Rの紹介とスピードチェア参戦記(2001年11月開催分)、Vol.16にもスピードチェア参戦記(2002年2月開催分)、Vol.19には「第1回CZ東西合同ミーティング」時に開催された、CZ開発責任者T氏とCZユーザーとの座談会の模様が載っています。興味ある方は見て下さい。



当面の目標であった「CZ150Rの速さを証明する事」は、ある程度達成出来たのではないか?と考えています。古から「CZ150Rは速い」との噂はありましたが、実証した例はほとんど無く、「ホントかどうか?」疑問視される方も居たと思います。人それぞれ受け止め方はあると思いますが、私が乗ってもコースレコードが出たのは事実(余談ですが、成立した東コースのレースで、私以外のウイナーは全てIAライダーです)ですので、まあまあ納得出来るのではないでしょうか?



「CZを手に入れたい」という方に、遅まきながら、アドバイスをさせていただきます。「自分が常識人である」との自覚がある方は避けた方が良いでしょう。人生、知らない方が良い事もあります。「オレは2スト好きだ!」と言う方には、2ストミッション車をお勧めします。今の時代、それでも十分、維持する事が難しいでしょう。「オレは2ストのスクーターが好きだ!」と言う方には、ジレラ・ランナーやグランドアクシス、アドレス110等をお勧めします。改造次第で更に速くなる事でしょう。「オレはCZでないとダメなんだ」と言う方は、仕方ありませんね。その場合、免許などの制約が無い限り、CZ150Rを選びましょう。CZ125の方が手に入り易いのですが、如何せん不具合が出易い様です。そして、自分で整備出来る腕と場所&工具、新品・中古(探す労力含む)パーツをストックする財力、CZに関する情報、無いパーツはなんとかする情熱(と、出来ればCZオーナーとの横のつながり)を用意しましょう。そこまですれば、性能を維持する事も可能です。更に「改造したい」場合はハードルが高くなります。確かに人間は欲深いモノですが、そこまでいくと、人生に破綻を起こしかねないので、ブレーキやサスの強化くらいで止めておきましょう。



CDIについて

CZ125のCDIは、壊れ易い事で有名ですが、CZ150Rのモノも、そうである事が判明しました。スペアとして、3つの中古CDIを持っていたのですが、全て不良品でした。タチが悪いのは、不良CDIでもアイドリングはする(火が飛ぶ事は飛ぶ)事です。更にタチが悪いCDIになると、始動後短時間はマトモに動くのですが、その後はアイドリング付近で火が飛ぶのみ・・・というモノもあります。かろうじてマトモな1個は、5万Km走行モノなので、個体差はあると思いますが、CDI不良のモノが相当多い事は想像出来ます。残念ながら、純正CDIは販売終了となっており、(確率的に、低いでしょうが)程度の良い中古品を探すか、代替CDIを見つけるしかありません。



現在進行形のCZ改造計画ですが、更なる速さを追求すべく、フレーム換装したNEWマシンを製作中です。確かにノーマルルックスで速ければ、ソレに越した事はないのですが、手っ取り早く速さを追求する為に、NEWフレーム号にその役目をバトンタッチします。出場予定レースは鈴鹿東コースの「ロードスタークラス」と、苦戦中(2戦2敗2転倒!)の「スクーター1」です。「ロードスタークラス」適応の為、ナンバー付き車両になります。製作にものすごく時間が掛かっている現状ですが、頑張って作りたいと考えています。

後日追記 ようやく、ストリートマジック車体ベースのNEWマシンが出来ました。今後はそのマシンを用い、(スクーター1が無くなった為)鈴鹿を主戦場にして、レース展開していきます。



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