法話20![]()
![]()
「心に響くことば」
「うちは先祖代々、浄土真宗の寺さんとお付き合いしています」
そうおっしゃってくださるご門徒さんは、たくさんおられます。ですから、ご法事やご葬儀などのご縁を通して、初めて「イエの宗教」であるお寺さんや仏事に向き合われた方も多いと思います。
では、その先祖代々のルーツはどこにあるのかと辿っていきますと、実は五百年以上前、浄土真宗中興の祖といわれる、蓮如上人の時代まで遡ります。
当時の権力者から抑圧された多くの民衆は、辛く苦しい暮らしの中、まるで石ころのような、価値のないいのちと扱われていました。その民衆に、蓮如上人は、南無阿弥陀仏の救いのよろこびを説かれました。
南無阿弥陀仏とお念仏申す私たちは、石ころのようないのちから、必ず仏と成る、光り輝く黄金のようないのちに転じられていくのですよ。
そのお念仏のみ教えが、生きる原動力となり、多くの民衆のよりどころとなってみ教えが広まっていきました。
ど先祖さまが「私のよりどころ(宗教)」として、お念仏をよろこび、いただいていかれたところから、私たちのところまで、お念仏の歴史はつながっているのです。
阿弥陀さまの願いは、塵のような私を照らして、光り輝いているいのちとご覧くださいます。
「あなたのいのちは、石、かわら、つぶてのような、どうでもいいいのちではありません。かならずさとりを開いて仏と成る、かけがえのない、黄金のいのちなのですよ」
私たちは、先人の導きとお育てをいただき、南無阿弥陀仏のみ教えに出遇っています。
塵のような私のいのちを、ひかり輝く黄金のいのちとご覧くださった阿弥陀さまの願いは、南無阿弥陀仏とお念仏申すままに、すでに至り届いています。ともにお聴聞を重ねながら、「私の宗教」として、お念仏申す人生を歩んでいけたらありがたいですね。