法話23

「やさしい法話3

一年間、いろいろなことを書かせていただきましたが、今回でお別れになります。
一年間というものは、あっという間です。しかし、十二カ月というものは、考えてみると大変な時間の流れです。私たちが、あっという間のことにしてしまっているようです。
皆様にとって、この十二カ月はどのようなものだったでしょうか。悲しいことも、苦しいことも、楽しいことも、悲喜こもごもの十二カ月です。
そして、また、新しい年がはじまります。
過ぎ去った時をかえりみることは、単なる感傷ではありません。来るべき時をいかに充実させることができるか、という準備でなくては意味がないと思うのです。
十二月は、あわただしさの中にも、このような準備を整える、新しい年に向かっての歩みを整える時にしたいものです。
私たちの浄土真宗では、常に「聴聞」ということを言います。つまり、アミダ仏の本願を開きひらき、人間が生きていくべき道を求めつづける、ということです。
この一年間、三六五日、どれだけ仏法を聴聞したでしょうか。
仏法を聞くことは、私自身の「いのち」全体にかかわることです。
いのちの尊さにめざめ、いのちの輝きを発揮して生きる道を学ぶためです。
そこから、過ぎ去った十二カ月、あるいは私の今までの人生のありかたが問われ、来るべき人生への歩みの方向が指示されるでしょう。
聞くことは、育てられることです。
一年間ありがとうございました。