お散歩するにゃ
☆ お散歩するにゃ ☆





「さてと・・・」
主人は席を立ち、どこかへ行こうとした。

「ご主人さま。どこに行くにゃ?」
ニィナは主人に尋ねる。
「ちょっと散歩に行ってくる」
「そ、そうにゃ・・」
ニィナは何か言いたそうな顔をしている。
それを見た主人は・・・
「ニィナも行くか?」
「えっ?」
主人の言葉にニィナは驚く。
「行くにゃっ!」
ニィナは叫んだ。
「では、行くとしよう」

そして2人は館を出た。


散歩中



散歩といっても、ただ近くを歩くだけである。

「ところでご主人さま?」
ニィナが心配そうな顔で尋ねる。
「ん?」
「お体は大丈夫にゃ?」
「ああ。最近は前にも増して調子がいい」

そう、主人は体が弱いのである。
しかし、最近はそれを表に出す事はなかった。

「安心したにゃ」
ニィナの顔が笑顔にかわる。
「ニィナのおかげだ」
「えっ?」
ニィナが声を上げる。
「ニィナが来てから調子がいい」
「で、でも・・・。私は何もしてないにゃ」
主人は首を横に振った。
「いや、そうじゃない」
「??」
「ニィナがいるだけで・・・」

ここで主人は言葉を区切った。
ニィナも主人が何を言いたいか気づいた。

「・・・・」
「・・・・」
2人は照れているのか、沈黙が流れた。

しばらくして・・・

「そ、そろそろ戻ろうか?」
「は、はい・・・」


館に戻る途中・・・



主人はそっとニィナの体をよせた。

「・・・・」
「うにゃぁ・・・」

2人は自然に体をよせながら館に戻っていった。


館に戻るなか、ニィナは思った。
ずっと、この時が続けばいいのに。・・・・と。

☆おわり☆

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