病気になったにゃ
☆ 病気になったにゃ ☆


昼前



主人はふと、時計を見る。
時計の針は11時を過ぎている。

「ニィナはいつまで寝ているのだ?」
主人は1人呟く。
「昨日は早く寝たと思ったのだが・・・」
主人はしばし考えた後・・・
「様子でも見に行こう」
主人は席を立ち、ニィナの部屋に向かった。


その頃



ニィナの部屋では・・・

「ごほっ・・ごほっ・・。も、もう・・こんな時間だにゃ・・」
ニィナは起きようとしたが・・・
「か、体がふらふらするにゃぁ」
ニィナはヨタついている。
「ふみぃ〜〜」
ふらふら・・・バタン

ニィナは床に倒れてしまった。


主人は・・・


コツコツ
主人はニィナの部屋の前に来た。

コンコン
「ニィナ」
「・・・・」
部屋の中からは返事はない。
「いない事はないと思うのだが?」
主人は一つ咳払いをして
「ニィナ。入るぞ」

ガチャッ
主人が部屋に入ってみると・・・

「ニィナっ!」
そこにはニィナが倒れていた。
「ニィナっ!どうした?」
主人は尋ねるが・・・
「うにゃぁ・・・」

ニィナは苦しそうな顔をしている。
主人がニィナの額に手を当ててみると・・・

「すごい熱じゃないか!」
「にゃぁ・・・」
ニィナは苦しそうな顔する。
「このままではいけない。ベッドに寝かせないと」

そして、主人はニィナを抱えてベットに寝かせた。

「水とタオルを持ってこないといけないな」
そういって、主人は部屋を出ていった。

しばらくして・・・


ガチャッ
主人が部屋に戻ってきた。

主人はタオルを水に浸してニィナの額においた。
「・・ニィナ・・」
主人は小さな声で言うが、返事は無い。
「・・・・」
主人はただ、ニィナを見ている。

しばらくして主人は何かを思い出した。
「そういえば、ニィナはかなりの汗をかいていたな」
1人呟く。
「着替えさせないとな。このままでは風邪が悪化してしまう」
そして、主人はニィナの着替えを探し出した。

ガサゴソガサゴソ

「それにしても、ニィナの服は少ないなぁ・・・」
探しているさなか主人はそんな事を言う。
「こんど買ってやるか」

・・・・・・
探してみるが着替えになるような物はなかった。
「こまったな・・・。しかたがない、私のを着せるか」
そういって主人は自分の部屋に取りに行った。

10分ぐらいして主人が戻ってきた。

主人がベッドの毛布をめくる。
「ニィナ。ごめん」
主人は一言謝り、ニィナのパジャマを脱がした。

シュルシュル
「汗も拭かないとな」
フキフキ
「・・にゃぁ・・」
ニィナが小さな声を上げた。
スルスル
「これでよしっ」
主人は自分が持ってきた、パジャマを着せたがニィナには大きかったようだ。
「ふぅ・・」
主人は一息ついて、ベッドの横に椅子を置き、座った。
「ニィナ」
主人はまた小さく尋ねるが・・・
「・・・・」
やはり返事が無かった。
「・・ご主人さま・・」
「ニィナっ!」
しかし、寝言だった。

・・・・・
そのとき、ニィナが何かを掴もうと手を伸ばした。
「ニィナっ」
主人はその手をギュッと握る。
「私はここにいる」
主人がそう言うと・・・
「・・ふみゅぅ〜・・」
ニィナは静かに寝息をたてた。


2時間後


「・・・うにゃ?」
ニィナが目を覚ました。

「大丈夫か?」
主人が心配そうに尋ねる。
「えっ?・・・ご主人さま?」
ニィナはなぜ主人がいるのか理解できてないようだ。
「ニィナは自分の部屋で倒れていたんだよ」
「そうだったにゃ・・・」
ニィナはシュンとうつむく。
「気にしなくていいから、今はゆっくりと休みなさい」
主人が優しく言う。
「ごめんなさいにゃ」
「謝る事はない」
「で、でも・・・」
ニィナは何か言おうとしたが・・・
「ニィナに無理をさせた私に責任がある」
「そんなことないにゃ」
「ニィナっ!」
主人が強く言った。
「・・にゃぁ・・」
「今はゆっくりと休んでてほしい。お願いだ」
主人はつらそうな顔をして、うつむいた。
「ご主人さまぁ」
「・・・・」

そのとき、ニィナが主人の頭をそっと抱いた。

「ご主人さまがそんな顔をすると、ニィナの方がつらいにゃ」
「・・ニィナ・・」
「ニィナは少し休みます。これでいいにゃ?」
「ありがとう」

そして、ニィナは主人の頭をはなした。

「うにゃ?」
「どうした?」
ニィナは自分のパジャマが変わっているのに気づいた。
「パジャマが変わってるにゃ?」
「私が着替えさせた」
主人の言葉にニィナは驚く。
「にゃ?・・ご、ご主人さまが?」
「ああ。すまないとは思ったが・・・」
するとニィナの顔が真っ赤になった。
「ふ・・・ふみゃぁ〜・・・」
バタン
「ニィナっ!」
ニィナは気絶した。


30秒後



「うにゃ?」
ニィナは気を取り戻した。
「ニィナ」
主人の声を聞いてニィナは毛布を頭が隠れるくらい被った。
「そ、その・・・すまないとは思っている」
「・・・・」
「ニィナが怒る気持ちもわかる」
主人がそう言うと・・・
「怒ってないにゃ」
ニィナは毛布の中から返事をする。
「その・・・恥ずかしくて、ご主人さまの顔が見れないにゃ」
「・・そうか・・」
主人は気の無い返事をする。
「ご主人さま」
「なんだ?」
「ご主人さまがパジャマを着せたにゃ?」
「ああ」

しばらくして・・・

「じゃぁ、ニィナの・・・裸・・見たにゃ?」
ニィナはそう尋ねた。
「すまないと思ったが・・・、見た」
「・・・・」
主人の答えにニィナは黙っている。
「ニィナの体は奇麗だった」
主人が呟く。
「えっ?」
「い、いや。なんでもない」

そのとき、ニィナが毛布から頭を出した。

「・・・・」
ニィナは黙っている。
主人はニィナに近づいた。
「ご主人さま?」
「・・・・」
主人はニィナの問いに答えない。
「??」
「ニィナ」
「えっ?・・・あっ」
主人はニィナのおでこにそっとキスをした。
「・・・・」
そして、主人は黙って部屋を出ていこうとした。
「ご、ご主人さま」
ニィナの声に主人が立ち止まる。
「ありがとうにゃ」
「ああ」

バタン
主人は部屋から出ていった。


そしてニィナは主人に言われた通り、しばらく休んだ。
おでこの感触を思い出しながら・・・


☆おわり☆

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