けがのこうみょうにゃ
☆ けがのこうみょうにゃ ☆





台所

「るん♪るるん♪る〜〜ん♪」
ニィナは鼻歌を歌いながら料理をしている。
トントントントン
手なれた手つきで野菜を切る。

「にゃ?お皿がないにゃ」
パタパタパタ
ニィナは皿を取りに行く。

「えっと・・・、ここかにゃ?」
上の方にあるので背伸びをしながら探す。

ガシャッ
「えっ?」
ヒュ〜〜〜〜〜〜・・・パリンッ!
「・・・・」
「お皿、割ってしまったにゃ・・・?こ、これ・・・」
ニィナは割れた皿を見て気づく。
「ご主人さまのお気に入りのお皿にゃ」
オロオロオロ
「う゛〜〜。と、とにかくお皿の破片を拾うにゃ」

カシャ・・カシャ・・カシャ・・・

「いたっ!」
ニィナは破片で人差し指を切ってしまった。
「うにゃぁ・・・」

そのとき・・・

「どうした?」
主人が台所に来た。

「あっ、ご主人さま」
「皿が割れたのか・・・。ケガはなかったか?」
「えっ?あの・・・」
ニィナはとっさに手を後ろに隠す。
「だいじょうぶにゃ」
「ふぅ。ニィナ」
「うにゃ?」
「手をだしなさい」
「ど、どうしてにゃ?」
ニィナはあたふたする。
「ケガしたんだろ?」
「う゛っ・・・」
「さっ、ニィナ」
「はい」
ニィナはしぶしぶ手をさしだした。

「傷は・・・深くはないようだな」
「これぐらいだいじょうぶにゃ」
ニィナはそう言うが、傷口からは血が流れている。
「・・・・」
「あっ」
主人がニィナの人差し指を口に含む。
「・・・・」
「あ、あの・・・ご主人さま?」
「・・・・」
「・・・・(ドキドキ)」

・・・・・・

主人がニィナの指から離れる。
「ふむ。血は止まったな」
「うにゃぁ〜」
「どうした?」
ニィナは顔を真っ赤に染め、虚ろな目をしている。
「ニィナ」
「にゃっ?」
ニィナはふと我に戻る。
「あとは薬を塗って、何かを巻くといい」
「わかったにゃ」
「それじゃ」

主人が背を向け去ろうとする。
それを見たニィナは・・・

「あの・・。ごめんなさいにゃ」
「ん?なにがだ?」
主人は足を止める。
「その・・・、ご主人さまの大切なお皿を割ってしまったにゃ」
ニィナは怒られるのではないかとビクビクしながら言った。
「そうか」

主人はそっけなく言うと、振り返らずに再び足を進る。

「ご主人さま・・・。どうしてにゃ?」
主人は足を止め、一言言った。
「ニィナが無事ならそれでいい」
「ご主人さまぁ〜」
「・・・・」
主人は去っていった

「うにゃっ!ご主人さまのためにもおいしい料理を作るにゃ」

ニィナは気合いを入れ、料理作りに励んだ。


☆おわり☆

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