最終話 終
最終話
『終』
終わる。
全てが終わる。
無限に続くと思われた『今』が終わる。
俺は無限の中に住んでいた。
永遠と繰り返す『今』の中に・・・
だが、それも終わる。
いや、終わった。
俺の『今』は終わった。
終わりは『死』のことを言うのだろうか?
悪い気はしない。
むしろ、心が安らぐ。
俺は終ったのだから・・・
でも、あいつはどうするのだろうか?
俺がいなくなったら、あいつには誰もいなくなるのだろうか?
あいつに父親がいない事はわかっていた。
夜会った時。
父親が働いているからって、あんな時間に出歩いているのは不自然だ。
それに、あいつの性格を考えるとなおさらだ。
まぁ、あいつなら大丈夫だろう。
あの強い『光』を持っているあいつなら・・・
『光』
その正体は
『夢』であり
『希望』であり
『努力』であり
『愛情』であり
『友情』であり
『優しさ』であり
そして、俺に一番必要だったもの。
俺が持てなかったもの、母が持って欲しいといったもの。
そして、少女にはじめて会ったときに言われたもの。
それは・・・
『勇気』
光と影と無
トップへ戻る