心の傷
心の傷
〜 些細な出来事 〜
傷・・・
他人から見れば、大したことのない傷。
些細な事だが、忘れることのできない過去。
過去の小さな出来事が、いつしか傷となった。
でも、大きくない
小さな傷。
だが、俺の心には残っている。
忘れることのできない過去。
心に刻み込まれた傷。
いつもは忘れているが、たまにふと思い出す。
なんてことはない。
ただ、子供がした悪戯。
犯罪でもなんでもない。
子供がした事。
大人はそう言う。
だが、小さかった俺はした事に対して涙を流した。
そんな俺を見て、親は『泣かなくてもいいよ』と言った。
でも、俺は泣いた。
小さいながらも、自分のした事に後悔した。
・・・あれから10年。
今でも思い出すと、過去が俺の心を苦しめる。
忘れたくても、忘れられない過去。
いったい、いつまでこの過去は俺を苦しめるのだろうか?
5年・・・?
10年・・・?
もしかしたら死ぬまで・・・?
自問自答を繰り返す。
誰かに聞いてみようか?
・・・やめよう。
当の本人である俺でさえわからないのに、他人がわかるはずがない。
・・・・
またか・・・。
また、過去を思い出し苦しむ。
どうして・・・?
どうして・・・過去に振り回されるんだ?
また考える。
・・・結局は同じ事。
考えるから、苦しむ。
苦しみから逃れるため、考える。
そして、考えるから苦しむ。
無限の輪のようにぐるぐると回り続ける。
終わりのない輪。
ただ、あるとすれば・・・
俺の命が尽きるとき・・・、それが終点だ。
傷・・・。
俺の心に残る傷・・・。
それは、過去の出来事ではない。
その過去を思い出すのが・・・
俺の・・・傷・・・
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