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ラジオコントロール・ヒポポタマス
著者:高橋明文

 小雨の降りしきる中、イヤイヤながらも外出した。
 どうしても郵便局に出向かなければならない用事があったからだ。
 湿度の高い部屋の中にもいたくなかったが、雨が降っていると知ってて外出するというのも気の重い話だ。
 ついでに煙草と牛乳を買おう、とかなんとか、外に出る理由をいろいろ付けて、少し暗くなり掛けている家の外へ。
 霧雨程度の降りになっていたので、傘は持たずに、濡れたサドルを掌で拭い、チャリンコにまたがる。
 昨日までペダルを漕ぐ度にギッシギッシひどい音がしたものだが、雨に濡れてどこかの部品の滑りが良くなったのか、チャリンコは快適に走り出した。
 普段、稽古場に行く時間とも違うし、バイトに行く時間とも違うので、擦れ違う人達の年齢層が微妙に異なっている。
 今は、主婦層の時間帯なのだ。
 カゴ付き自転車の前には買い物袋を、後ろには小学校に上がる前の子供を乗っけた女性ばかりが、やたらと目に付く。
 俺と同い年くらいか、若いか、年を取っているか、凄く年を取っているか、
そんな女達が通り過ぎていく。
 そういえば、俺と中学時代、机を並べて学んでいた(あるいは居眠っていた)同級生の女の子達は、今頃何処でどうしているのだろう?
 俺が27になったってことは、彼女達も同じく27、8才になっているってわけだ。
 あの頃、どの子も可愛らしくて、俺はいろんな子を好きになったっけ。
 あの頃、触れることは出来なかったが、美しい肌と、弾けるような身体を誰もが持っていた。
 あの頃、誰しも小さな事でくよくよ悩み、国家間の対立や税金の支払いなんてのは、教科書の中の絵空事でしかなかった。






   
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