蚊との格闘を終え、とりあえず眠りにつけたのはおそらく夜半過ぎ、二、三時間くらい寝ただろうか、明け方ころ今度は暑さとベタベタ感で目を覚ます。もう一度眠りにつけどもとうてい暑くてムリ。外はまだ満月の海、とりあえず海沿いの岩場に座って月を見ながら朝を待つ。いつも旅の一泊目は寝つきがどうも悪い。
やがてまわりも明るくなり始め撤収&出発。疲れは全く取れてないが、昨日にひき続き海岸線を北上する。まだ薄暗いうちに越前岬を超え、九頭竜川を渡ると越前ガ二の水揚げの港町、三国町。
町自体はこじんまりとしているものの港には漁船がズラリと並び、古い家並みがなかなかいい雰囲気をかもし出す。次の機会にはじっくり時間をかけて周ってみようと思う。
そして東尋坊にちょっとだけ立ち寄り、まもなく石川県に入る。ここからは混雑し始めた国道8号からは少しはなれて、はるか能登半島まで延々と続く、白砂青松の海岸ぞいを県道をつないでいく。大型車が忙しない国道よりずっとのんびりしている。また風景も格段に良い。
日もギンギン照り付け、フェーン現象か寝不足のせいか、少しめまいがするので金沢市の手前、松任温泉「松任CCZ温泉」で一休み。名前は意味不明で怪しいが、最近出来たと思われるピカピカの建物でしかも日本海を間近か眺める露天風呂つき。休憩所も広くて入泉料はなんと350円!恐るべし三セク。とりあえず風呂&コーヒーギュ―ニューでクーラーガンガンの大広間で二時間ほど大の字で爆睡。
体力も完全回復したところで、昼過ぎ再び出発。金沢市を抜け源平ゆかりの地、倶利伽羅峠を越すと早くも富山県に突入。はるか向こうには富山湾を望む。このあたりも大型が多いのでガラ空きの県道で富山市をバイパス。一気に新湊に抜ける。ここ新湊も昔ながらの由緒ある港町。立山連峰をバックに、ちっちゃい電車が古い家々の軒をかすめ、港には渡し舟が行き交う。昭和30年代さながらの風景。
そしてさらにコレダは西へ、神通川を渡ると、ここからは有名蜃気楼ロード。残念ながら蜃気楼は春から初夏にかけてしか、お目にかかれないそうだ
日もだいぶ傾いたことだし、明日は、かの天剣親不知越え。ゆっくり休むことにする。今日は黒部川にほど近い「入善町園家山キャンプ場」で泊まることにする。他のライダーはゼロ、近くの釣りのオヤジと話をして、今日は早めに寝る。
Y.K