8月9日 遊佐町〜青森県碇ヶ関村

 今日は一転して朝から曇り空。ファミキャンが起きてくる前に、とっとと朝飯を食って出発することに。

 程なく、秋田県に入ったと思った途端、空から雨がおちてくる。早速、合羽を羽織り、今回の旅初めての雨の中の走行となる。雨は鬱だ。なにしろ路肩は九分九厘水溜まりと化し、顔面を直撃する雨粒はメチャメチャ痛いし、追い越され際などはたまったものじゃない。こうい日はもうバイクを降りず、濡れついでとばかりにひたすら走って距離を稼ぎ、後日に余裕をつくることにする。

 秋田市内をかなりの勢いで駆け抜け、出来るだけ海岸線をトレースするため、進路を西へ男鹿半島へとる。

 やがてコレダは八郎潟干拓地、大潟村へ。言わずと知れた超巨大干拓地。かつての干拓前の八郎潟は琵琶湖についで実に面積日本第二位を誇っていたというが、今は調整池として一部が残るだけで見る影もなし。干拓地のほうは見渡す限りの一面の田んぼ、しかも完璧に区画され、ある種の荘厳さが漂う。言い方は悪いかもしれないがここでは農産物が「製造」されているといった感じ。まあ今の農業はみんなそうなのかもしれないが。そして大潟村の中心にある「潟センター」でしばし休憩。ここの「潟特産黒味噌ラーメン」はなかなかの味。他にも格安の直売野菜を調達する。

 八郎潟を南北に縦断し再び国道7号に復帰、さらに能代市から国道は米代川に寄り添うように山へ入っていく。雨もやっと上がり空には虹が掛かる。

 大館市を過ぎると青森県との境へ向けさらに標高を増す。ちょうど峠の手前にいい感じの温泉を発見、眼前は青森県、一区切りついたところで立ち寄っていくことに。

 駐車場には、なにやら大荷物のライダーが。早速声をかけると、おっと久々の大阪弁が帰ってくる。彼は名を竹内といって、僕とおんなじ大阪在住、一ヶ月間北海道を満喫しての帰りだそうだ。さらに、どうもこのあたりには寝れそうなところがないらしく途方にくれていたとこらしい。早速、近くにいたオッサンに聞くと、峠を下ってしばらく行ったところに、道の駅があるらしい。彼も僕も今晩はそこで寝ることにして、あとで道の駅で落ち合うことに。とりあえず彼は買出しに、僕は温泉に向かう。

 「大館矢立ハイツ」こぎれいな公共の宿の温泉でなかなか浴槽も広々。湯加減もぴったりちょうどいい。風呂上りはコーヒー牛乳片手にしばし阪神VS巨人に燃える。

 阪神の勝利を確認し、気分もなお爽快で、真っ暗な峠を越え青森県にはいる。峠を下り、やがて例の道の駅に到着。見ると、さっきの竹内さんとあとひとり帯広ナンバーのライダーが。挨拶して話を聞いてみると、彼はなんと二ヶ月かけて日本一周して、まさに明日の船で地元の北海道に帰るところ。しかもなんと大阪では僕でも入り口までしか行ったことのないUSJに行ったりとあれやこれやで総額で70万も費やしたというツワモノ。しかしその木下さん曰くフェリー会社に電話すると北海道渡りは明日から予約が厳しいらしく、こっちはチョイ心配に。まあそんなことも忘れて、さっき出会ったばかりのメンバーで賑やかにやる。やがて車で日本一周中のオヤジも乱入。さらに盛り上がる。










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Y.K