8月13日 千歳〜富良野市

 今日は僕も千歳を発つことに。記念品にと、オバチャンからサイン入りバンダナをもらう。朝早く、みんなで写真を撮り合ったりして、そしてそれぞれ思い思いの場所へ散っていく。僕はハンドルに取り付けたバンダナをなびかせ、一路、道東を目指す。石狩平野を抜け、一山越えて午前中に夕張に到着する。

 言うまでもなく夕張はかつての大炭鉱の街、名実共に日本の高度成長の牽引役であった。当時、危険の伴う炭鉱夫は収入もよく、全国各地から男たちが集まり街は大変な賑わいをみせたそうだが、閉山となった今は見る影もない。

 ここで「夕張石炭の歴史村石炭博物館」に立ち寄ることにする。夕張炭鉱の歴史、当時の生活等が見学でき、特に、実際に使用されていた坑内を見学できるとあって(廃墟&産業機械マニアの僕にとっては)ぜひ立ち寄りたいスポットなのである。早々と博物館の見学を終え、待ちに待った炭鉱内へ。

 まずエレベーターで炭鉱に降りるのだが、コレがまたビルとかにあるごく普通のエレベーターなのだが、扉が閉まり、突然真っ暗になるや「只今から地下千メートルのに参ります」とアナウンス。ほんの十数秒でガチャンとエレベーターは止まるが、扉は開かない。やっと数分たってから「地下千メートル(まだ言ってる…)の炭鉱へヨーコソ」と扉が開く、という手に汗握る設定。そして炭鉱のほうは打って変わって本格的。

 まずヘッドランプ付きドカヘルが貸し出される。坑内はホンマの真っ暗闇で、数組のファミリーに遅れのとった僕は、ライトを頼りに、恐る恐る先へ進む。お馴染みの鉱夫人形がいたるところに設置され、彼らのあの微妙な笑みを照らし、目が合うとかなりコワイ。さらに奥に進むと、橙に塗装された炭鉱マシン達が無造作に配置され(ここでは詳しく書かないが)すかさず激写しまくる。

 そして「地下千百メートル」からわずか数十段の階段を上って地上へ、これで見学は終了。七百円も取るだけあってなかなか内容の濃い博物館であった。

 そして、夕張からから芦別方面にぬけるのに使った国道452号、やたらスズメバチ風のデッカイハチの大群が所々で道路を横断する、ライダーにとっては危険極まりない道だ。半キャップを愛用する僕は、何度かもほっぺに生でハチの衝突を食らい、マジでやばい。

 それでも何とか無事に国道をパスし、日も傾いた富良野へ滑り込む。今日はここ中富良野の無料の「鳥沼公園キャンプ場」に世話になることに。最近めっきり減った無料キャンプ場だが、浮いた金でセイコーマートでマトンを仕入れ、今日は豪華にジンギスカン丼。たらふく喰って爆睡。先はまだ長い。



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Y.K