8月23日 横浜町〜岩手県山田町

 朝起きると意外にももう風はおさまり、晴れ間がのぞいている。台風も駆け足で抜けていった様子。三人で朝飯を食い出発。吉田さんは台風を追いかけ大間へ、勝間さんと僕は南へ下る。大きくてを振って二人を見送りまだ風の残る中をまた独り駆け出す。

 とりあえず、横浜から六ヶ所で太平洋に出て南下してゆく。下北半島、特にこのあたりは北海道を除いてはかなり未開で、あたり一面の原野。いまやもう頓挫したむつ小川原開発の道路がひたすら原野を突っ切る。また自衛隊の関連施設が非常に多く緑色のジープが忙しなく行き交う。やがて海が左手から近付くと雲はすっかり吹き飛び久々に見る夏空。三沢を過ぎ、八戸からは、しばらく国道45号のお世話になる。八戸を過ぎると、早くも岩手県に入った。生まれて初めて踏み入れる県で自然とテンションも上がる。

 このあたりからは右手から山が近付き始め、コーナーや(原付には)キツイアップダウンが増し、自然とペースダウン。とりあえず走ってばかりでは、さすがに飽きるので、バイクを降りてみることにする。途中のスタンドでオバチャンをナンパし地域密着観光情報を聞き出す。ジモっちはややもすると誇張の気があるが、隠れたマルヒスポットを教えてくれたりするので(特に食いもんに関しては)要チェック!そしてこのあたりでは「鵜ノ巣断崖」がおすすめということで早速行ってみる。

 国道からメチャ細い道に入り海へ。こじんまりとした駐車場にバイクを停め、断崖までの松林の中を数百メートル歩く。そして海が見えるとそこは、すでに足がすくむような断崖の上。しかも観光客は皆無。かなりコワイがぎりぎりまで近付いてみると、はるか遠方まで崖が整然と連なり、その下では波が打ちつける。そして波しぶきが霧状になり崖の間に立ち込める。なんとも幻想的。しばし崖の上にたち尽くす。

 さて旅はまだまだ続く。再びコレダは南を目指す。日もかなり傾き、メジャーな「浄土ケ浜」をサラッと観光(コチラは前夜の台風で海がメチャメチャ濁ってイマイチだったが…)。さらに、その先の本州最東端の岬という、なんともマニアック心をくすぐるスポットがあるのだが、情報によると軽い登山が必要らしく今の体力ではとてもムリということで、今回は断腸の思いで次回へとっておくことにする。(エッ?また来るの!?)

 そんなこんなで今日は山田町の「浦の浜海浜キャンプ場」でお世話になることに。この山田町の面する山田湾、カキやホタテの養殖が盛んで海も穏やか。とりあえず近くの民宿で風呂を借り、山田湾を眺めながら垢を落とす。最高だ。誰もいないキャンプ場もなんなので、夜飯を作って浜に出て満天の夜空を眺めながら食らう。するとむこうでなにやら騒いでいた地元の高校生たちがこちらに来て話し掛けてきたてきた。話すとすごくいい奴らで、僕の旅のスタイルにすごく興味を持ってくれたのか、かわいそうな人に見えたのか、なんとバーベキューに呼んでもらうことになった。僕が旅であったおもしろい話などをすると、みんな目を輝かせて聞き入る。その後、高校生達と花火をやったり、泳いだり、関西弁をショーをやらされたり、なにか懐かしい時間を過ごすことが出来た。旅立て若者達よ!!

次の日へ

戻る


Y.K