宮古からは言わずと知れた「三陸リアス式海岸」のハイライト。いくら地理に弱い奴でもなぜかリアス式海岸だけは知っているのだ。とはいっても意外にコレといった景勝地もないし見所もない、今日は調子もいいのでさっさと先を急ぐ。
閉鎖されて久しい鉄鋼の町、釜石からは、海のそば、山ん中を繰り返す。魚は美味いが金のない俺にとってはあんまし意味のない気仙沼を過ぎ 津山からは北上川と並走する。
北上川は岩手県北部の西岳に水源を発し、東北地方を縦断する大河川。夏にもかかわらず豊かな水量でとうとうと流れる。そして石巻で太平洋に注ぐ。石巻も東北有数の漁港で活気がある。ここからは一転して西へ、夕日を見ながらの走行となる。そうこうすると、今日の、というか東北の最大のビッグスポット松島はすぐそこだ。
言わずと知れた松島――安芸の宮島、天橋立と並ぶ日本三景のうちのひとつだ。期待も膨らむ。改めて説明すると、松島は松島湾に浮かぶ大小230もの島々、またはその風景美の総称。まずは松島湾の東側、比較的マイナーな「奥松島」に到着。駐車場には「大高森登山道こっち」とあり、地元のオヤジに聞いてみるとその大高森という山に登って見なければ松島を見たことにはならないらしい。最高の景色は苦労して得るもの、かどうかはわからないが、それも一理なくもない。見た感じ低そうな山、登山決行。しかしこんな登山は全くの久しぶりで、予想どうり早くも途中で息切れ。ロクなもん喰ってないせいか、はたまた日ごろの運動不足か…これ以上言っても言い訳にしか聞こえないのでやめておこう。途中であったオバサンと一緒にしゃべりながら、休み休み登ること30分、ようやく展望台へ。
「う〜ん…」というのが第一印象。確かに島々が幾重にも重なる風景は申し分ないが、それも視野のほんの一部だけ、他はだだっ広い海&ごく普通の島々なのである。写真やビデで切り取るならまだしも、生で見たときの風景の広がりという点ではいまひとつ。なんか煮え切らないまま山を降りる。
そして松島湾をぐるっと反対側へ、今度は本家本元の松島へ。温泉街の活気はすごかったが、ここの風景はもっとイメージと違っていた。湾にポツンポツンと小さな島がまばらにあるだけ…。抱いていた期待が大きすぎたのか、はたまたそんなものなのか、日も暮れたので、すぐ近くの松島町「長松園森林公園キャンプ場」へ。
手続きを終え、キャンプ場に入るとライダーが二人いる。でそこに行ってみると…なんとあの勝間さんだ!!「うそ〜ん、なんで原チャに追いつかれるの!?そうそう、今日は女子高生が海辺でようけあそんどったからスロットルも緩みがちなんよ…」といつものノリ。もう一人はこれから北海道を目指すという福岡さん。しかも偶然にも年は違うけれど勝間さんと同じ中学校らしく、これもたびの面白いところ。そんな縁もあって今日も夜遅くまで話は尽きることはなかった。
Y.K