名神湾岸連絡線 <2017/01/15更新>
 
区間
名神高速道路西宮IC〜阪神高速道路5号湾岸線
出入口
未定

開通予定
未定(湾岸線西伸部と同時期か?)
総工費
高架案:600〜700億円
地下案(地下構造+高架構造):1200〜1300億円


路線概要
 名神高速道路の西宮ICと阪神高速道路5号湾岸線を結ぶ連絡線の構想です。この構想は以前からありましたが、平成25年より国土交通省近畿地方整備局の道路分科会近畿地方小委員会にて名神湾岸連絡線の計画段階評価について審議され、構想の具体化に向けた大きな動きが見られました。この路線は名神高速道路からの車を5号湾岸線へ誘導するのが目的の路線です。2016年に新規事業化が決定し2017年度にも着手される見通しの5号湾岸線西伸部とセットで検討されている路線なので、今後さらに実現化へ向けて前進するものと思われます。
 構想の実現化に向けては周辺住民等への説明会なども行われ、道路構造としては全区間を高架で建設する案と、名神と湾岸線の接続部分のみ高架で間の区間を地下構造で建設する地下案(地下構造+高架構造)の2つのパターンで検討されています。
 事業主体については「未定」という事にはなっていますが、阪神高速道路の公式サイトの「阪神高速ビジョン2020 資料編(クリックすると公式サイトのPDFが開きます)」の「※11 ミッシングリンク解消に向けた整備路線等」の項目にて名神湾岸連絡線が記載されているので、阪神高速道路の路線として整備される可能性が高いと思われます。


◆参考リンク
国土交通省近畿地方整備局 兵庫国道事務所 「名神湾岸連絡線」


◆余談
 名神湾岸連絡線は阪神地区の高速道路計画では比較的新しい計画ではありますが、実は今の3号神戸線自体が国道43号線上ではなくもっと南の沿岸部に建設する当初計画があり、その当初計画の3号神戸線(当時は神戸臨港線と呼ばれていました)に接続するために西宮ICは本線をまっすぐ沿岸部へ伸ばすのを考慮して建設されていたので、実は高速道路創世記時代の大昔の計画が復活したような感じでもあります。3号神戸線のルートについては、当時の建設省の地方建設局サイドからは長年かけてやっとの思いで開通させたばかりの第二阪神国道(国道43号線)上への建設に否定的で、名神高速道路の西宮ICの設計が完了するまでに神戸線の位置が定まらない事態に至っていました。当初の3号神戸線の建設を検討していた沿岸部についてはまだ埋立計画が確定していなかったり、万博に間に合わすには用地買収の面で時間がかかるなどの問題があり、結局は43号線の上に建設され今の名神高速道路との西宮ICが出来上がりました。


↑名神高速道路 西宮ICの図面 (名神高速道路建設誌より抜粋)
(方角は図面の上が「南(大阪湾方面)」です)
 上の図面は名神高速道路建設誌より抜粋したもので、名神高速道路の西宮ICの建設前にどういう形にするかを示した図面と思われます。図面の通り、名神高速道路の西宮ICの設計が完了する頃になっても3号神戸線(神戸臨港線)のルートが決定されていなかった為、阪神高速道路との接続道路などは描かれていません。本線については"直進"して沿岸部へ伸ばせるように設計したとのことで、名神湾岸連絡線の建設で本来の使われ方をする事になりそうです。


実現への問題点その1 〜住宅地〜
 西宮ICと湾岸線の間は工業エリアと住宅地が混在しており、簡単に高架道路が敷設出来るエリアではありません。西宮ICから海岸に向けて通っている都市計画道路今津東線という道路があり、単純にこの道路を拡幅して直上に高架道路を建設する事が出来ればいいのですが、大阪の阪神高速淀川左岸線や東京の首都高速中央環状線のように地下に都市高速道路を造る方が一般的になりつつある現代では、騒音・排ガス・景観といった環境面から考えて周辺住民から地下方式での建設を求められるのは必至です。ただ、高架道路が全く建設出来ないわけではなく、平成20〜23年にかけて開通した阪神高速道路8号京都線は、稲荷山トンネルの部分以外は一般的な高架構造での高速道路が建設されています。


実現への問題点その2 〜西宮ICの構造〜
 名神高速道路の西宮ICは南に延伸出来るような構造ではなく、現在の形が完成形となっています。ここから南向きに道路を延伸するには、西宮ICの構造を改良するか、ICの少し北に名神高速道路の本線との分岐を設けて、名神湾岸連絡線は西宮ICを素通りするような構造にする方法が考えられます。  西宮ICを改良する場合は、改良に合わせて全方向と接続可能なフルジャンクションにしてしまうか等、いろいろなパターンが考えられます。名神湾岸連絡線を、単なる名神高速道路と湾岸線を結ぶだけの道路にするか、神戸線との連絡機能を持たせるか等、どういう路線にするかで改良内容が大幅に異なってきます。

実現への問題点その3 〜西宮港〜
 西宮ICと阪神高速湾岸線の間には西宮港があり、ここを越えるか避けるかする必要があります。湾岸線の西宮港大橋はこの西宮港の入口に架かる橋で、港を利用する船の航路を確保出来る高さを持ったアーチ橋で作られており、もし西宮港を渡るとなれば何処を通るかにもよると思いますが、西宮港大橋と同様の高さの橋が必要になるかと推測されます。海底トンネルで港を抜ける方法もありますが、出来るかどうかの技術的問題以外にも、高架から地下へのアプローチ部分を何処に作るかも問題です。
 港を避ける場合は、芦屋側に避けると大規模な工場やマリーナがある為、地上または高架で建設すると代替地の確保難しく、それだと港を橋で跨ぐ方がいいかもしれません。湾岸線の甲子園浜ランプ側へ避けると今津浜公園という運動場等もある大きな公園があり、そこを利用出来れば(道路完成後に公園を復元する前提なら)建設が出来そうです。
 また、西宮港には「今津灯台」という市の文化財指定を受けている歴史のある灯台があり、高速道路が近くに出来るとなると、灯台としての機能だけではなく、景観の問題も懸念されます。

ルートを予想してみました!
 
下記の予想ルートは、今の高架案や地下案などの具体案が出る前に当サイト「高速なページ」の管理人が勝手に予想したもので、特に土木建築に詳しいとか、地質などを調査したとか、そういうわけではない素人の予想です。何となく事業費が結構安く提示されてしまってる高架案あたりで落ち着きそうな感じで、今となってはどうでもいい予想ですが消さずに置いときます。

予想ルート1-1 最短距離ルート 全線高架構造(西宮ICを改良して湾岸線とを結ぶ)

 西宮ICを改良して名神高速道路の本線を南伸可能な構造にし、都市計画道路今津東線を拡幅してその上を高架で進み、西宮港に橋を架けて湾岸線とを結ぶ全線高架の最短距離でのルートです。

◆このルートの利点
・最短距離で名神高速道路と湾岸線を接続し、尚且つ本線の建設距離も最短。
・一般的な高架道路なので、概ね既存の技術で建設出来そう。

◆このルートの問題点
・西宮ICの大幅な改良が必要で、既存の機能を維持しつつ本線を長期間の通行止めにせず工事をしようとすると難工事が予想される。
・全線高架なので、周辺の住宅地や学校への影響を考えると、反対意見が多く出されると想定される。
・西宮港を跨ぐので、それなりの規模の橋を建設する必要がある。
・今津東線を拡幅する必要がある。
・今津灯台の側を通る事になる。




予想ルート1-2 最短距離ルート 全線高架構造(西宮ICの北に分岐を設けて湾岸線とを結ぶ)

 西宮ICの北に名神湾岸連絡線との分岐を設けて、現在の西宮ICを乗り越え、西宮港に橋を架けて湾岸線とを結ぶ全線高架の最短距離でのルートです。

◆このルートの利点
・最短距離で名神高速道路と湾岸線を接続。
・西宮ICについては改良しないので、工事期間中の本線やICへの影響を出来るだけ少なく出来そう。
・一般的な高架道路なので、概ね既存の技術で建設出来そう。

◆このルートの問題点
・全線高架なので、周辺の住宅地や学校への影響を考えると、反対意見が多く出されると想定される。
・西宮港を跨ぐので、それなりの規模の橋を建設する必要がある。
・今津東線を拡幅する必要がある。
・今津灯台の側を通る事になる
・既存の西宮ICについては改良しない為、西宮ICをフルジャンクション化(全方向と接続可能にする)するなど既存の機能以上にしたい場合は、このルートでは対応出来ない。




予想ルート2-1 甲子園浜ルート 全線高架構造(西宮ICから西宮港を避けて甲子園浜付近で湾岸線と接続)

 西宮ICを改良して名神高速道路の本線を南伸可能な構造にし、西宮港を避けて今津浜公園付近を通り、甲子園浜付近で湾岸線と接続する全線高架のルートです。

◆このルートの利点
・一般的な高架道路なので、概ね既存の技術で建設出来そう。
・西宮港を避けるので、港を利用する船舶への影響が少ないと思われる。


◆このルートの問題点
・西宮ICの大幅な改良が必要で、既存の機能を維持しつつ本線を長期間の通行止めにせず工事をしようとすると難工事が予想される。
・全線高架なので、周辺の住宅地や学校への影響を考えると、反対意見が多く出されると想定される。
・今津東線を拡幅する必要がある。
・今津灯台の側を通る事になる




予想ルート2-2 甲子園浜ルート 全線高架構造(西宮ICの北に分岐を設けて西宮港を避けて甲子園浜付近で湾岸線と接続)

 西宮ICの北に名神湾岸連絡線との分岐を設けて、西宮港を避けて今津浜公園付近を通り、甲子園浜付近で湾岸線と接続する全線高架のルートです。

◆このルートの利点
・西宮ICについては改良しないので、工事期間中の本線やICへの影響が少ないと思われる。
・一般的な高架道路なので、概ね既存の技術で建設出来そう。

◆このルートの問題点
・全線高架なので、周辺の住宅地や学校への影響を考えると、反対意見が多く出されると想定される。
・今津東線を拡幅する必要がある。
・今津灯台の側を通る事になる
・既存の西宮ICについては改良しない為、西宮ICをフルジャンクション化(全方向と接続可能にする)するなど既存の機能以上にしたい場合は、このルートでは対応出来ない。




予想ルート2-3 甲子園浜ルート 一部地下構造(西宮ICの北に分岐を設けて地下へ潜り、甲子園浜付近で湾岸線と接続)

 西宮ICの北に名神湾岸連絡線との分岐を設けて、地下へ潜り、今津浜公園付近から高架になり、甲子園浜付近で湾岸線と接続する全線高架のルートです。

◆このルートの利点
・西宮ICについては改良しないので、工事期間中の本線やICへの影響が少ない。
・ほとんどを地下構造としている為、名神湾岸連絡道路の新設により環境への影響が懸念される地域が最低限で済む見込みがある。
・今津灯台への影響がほぼないと考えれる。
・シールド工法での工事が可能なら、今津東線を拡幅せずに建設出来る可能性がある。
・民有地の用地買収が必要な場所は、名神高速道路との分岐付近と換気所程度で済み、用地買収についての地域への負担を少なく出来る見込みがある。

◆このルートの問題点
・地下構造の為、既存の高速道路や鉄道の線路の下を掘る必要があり、技術的な課題がある。
・海辺に地下への入口が出来るため、津波への対策が必要。(西宮港周辺は高い所で2m未満の浸水が想定されています(兵庫県CGハザードマップより))
・周辺に地下水(宮水)を利用している酒造メーカーが多く、地下構造だと地下水への影響が心配される。
・名神高速道路との分岐付近の高架⇔地下のアプローチ部分が地域を分断する長い壁になってしまう懸念がある。
・既存の西宮ICについては改良しない為、西宮ICをフルジャンクション化(全方向と接続可能にする)するなど既存の機能以上にしたい場合は、このルートでは対応出来ない。



今後の見込み
 いろいろ予想もしてみましが、事業の計画段階評価を行うという事は、ある程度ルートや構造について何かしらの「予定ルート」が出来ているのかもしれません。現時点(平成26年8月時点)では、名神高速道路と5号湾岸線を結ぶというかなり大雑把なルートしか公表されておらず、まだまだ現実味がない構想となっており、そのせいか周辺地域から大規模な反対運動が起きているというのは聞きません。
 しかし、経由地や湾岸線や名神高速道路との接続予定位置などが公表されると現実味を帯びてきますし、周辺住民の方にも町が大きく変化するかもしれないという感覚が出てくると思いますので、その時に西宮市がどういう反応を見せるかが、ポイントだと思います。市が建設に消極的なら京都高速(阪神高速京都線の未開通区間)のように構想が凍結状態になったり、構想実現へのステップが大幅に遅れる事が予想されます。逆に積極的なら、大阪の淀川左岸線延伸部(豊里〜門真)のように構想実現へのステップを順序良く進めていくと思われます。
 

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