超13話『新キャラ登場! それも2人!?』
超13話
『新キャラ登場! それも2人!?』
-
キンコンカン・・・
午前最後のチャイムを略して終了。
これからの時間は嬉し恥ずかしランチターイム!
・・・ちなみにどこら辺が恥ずかしいかは秘密だ。
「お兄ちゃんっ」
いつものように妹が俺の分の弁当を持って現れる。
ドアをの方を向いて手を振ると、なにかがいつもと違った。
「……誰だ?」
モナの隣には見たことのない女の子がひとり。
どうやらモナの友達らしいが、見た感じからずいぶん大人しそうに見える。
身長はモナと同じくらいでなかなか可愛い。
違う点といえば、髪がかな〜〜り長いのが特徴か・・・。
(だが、長すぎる! 床に引きずっているんではないだろうか?)
「お兄ちゃん、お弁当持ってきたよ」
「サンキュー! それと、隣の子は誰だ?」
「私と同じクラスで、一番のお友達!」
「は、はじめましてっ……“聖獣院 清子”と言います。よろしくお願いします」
「せいじゅういんきよこ?」
「お兄ちゃん…、全部平仮名で言うとバカみたいだよ…」
ガーーン!!
俺ってバカなのか?
い、いや・・・それ以前にモナに言われたのが辛い。
「ま、まぁ……それはおいといて。えぇ〜〜“キヨ”って呼んでいいか?」
「は、はいっ! 嬉しいです、先輩っ」
ジ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
せ、先輩かぁ・・・・いい響きだなぁ。
俺は待っていたんだよ、この学生生活の醍醐味をなぁ〜〜。
「ちょいちょい」
「…ん?」
モナが俺のすぐ側まで来て肩を指でつつく。
「なんだ?」
「耳かして」
「ほいほい」
俺が耳を近づけると、モナは小さな声でボソボソと話しだした。
「(清子ちゃんを今日連れてきたのには理由があるんだ)」
「(理由?)」
「(うん。清子ちゃんはお兄ちゃんの事が好きなんだよ)」
「(ええ? それはそれで嬉しいが、初対面だぞ?)」
「(ふふっ、清子ちゃんは違うんだよ)」
うーん、俗に言う“先輩に憧れる後輩”ってやつだな。
うひひひひひ、それはそれでいいよなぁ。
「モナちゃん? 先輩?」
「ああ? スマンスマン、飯でも食うか〜」
ガタゴトガッタン!
一瞬にして机を合体させ、テーブルが完成。
配置は俺の向かいに“キヨ”、左隣に“モナ”。
以上のことから右隣に席が空いているが、気にしない気にしない。
「飯だ飯だっ!」
俺は素早く弁当の包みを解き、蓋を開けると神風のごとく口にかきこんだ。
「ばぐばぐばぐばぐ」
「………」
「………」
「…ふぅ、ごっとうさん」
いつもの俺を怪訝な顔で見つめる2人。
いや、厳密に言うとひとりか・・・モナは毎度のことなので呆れているようだ。
「どうした、キヨ?」
「い、いえ……食べるの早いですね」
「お兄ちゃんはいつもこうなんだよ……はぁ」
「わ、ワイルドで素敵♪」
「そう思うのは清子ちゃんだけだよ…」
なんだかモナの痛い一撃。
我が妹ながら、ときどきキツイ言葉を放つなぁ・・・特に俺に。
「先輩、私のお弁当も食べますか?」
「いや、さすがにそれは悪い」
「そうですか? それでは半分だけわけてあげます」
そう言うなり、キヨは自分の弁当から俺の弁当にいろいろと放り込んだ。
俺はもらった物は無駄にしない主義。
すぐさま箸で摘んで口に放り込む。
「……ぱく」
「ど、どうですか?」
「こ、これは!?」
「美味しいですか?」
「ああ、殺人的ほどに…」
うぅ、これは人類の食べ物ではない。
どこをどうやったらこんな味の食い物が作れるのやら・・・。
適当に調味料を入れてもこんな味にはならんぞ・・・カク。
「ぐすっ、やっぱりダメでしたか……いつも言われるんです」
「…だろうな」
「お、お兄ちゃん」
「わ、私……こんなんじゃ…ダメですね」
「諦めるのか?」
「…え?」
「たかが料理がマズイぐらいで諦めるのかっ!?」
気づいたら俺は怒鳴っていた。
こんなお約束的な女の子がいたら叫ばずにはいられないのが熱血主人公っ。
「せ、先輩?」
「諦めるのはまだ早いぞ」
「で、でも…」
「…と、言うわけだからなモナ!」
「え? え??」
モナの両肩に手を置くと、モナは意味がわからない顔をしながら俺を見る。
そんなモナを俺はジッと見つめた。
「キヨに料理を教えてやってくれ」
「あ、うん。別にいいよ」
「モナちゃん、いいの?」
「私はいいよ」
「そーゆーわけだから、頑張れキヨっ!」
「は、はい」
これで一件落着。
はっはっは、俺ってばなんて言いヤツなんだろうなぁ〜。
「さっすが、モナちゃんだねっ!」
「きゃっ、な、なんですか?」
どっから現れたのか知らないが、いきなりモナの手を握るとは不届き千万!
こーゆーヤツには正義の鉄槌が必要なのだっ!
「おい、お前…」
「友達に料理を教えてあげるなんて、なんて心優しい少女なんだ〜」
「あ、その、手を離してください…」
「それ以上すると…」
「君は俺が探し求めていた女性だっ! 俺と結婚してくれないかー?」
「あ、あの…」
このヤロー、聞いちゃいない。
だったら・・・力づくで黙らせるまでだ・・・
「結婚式はどこで挙げようか? ハワイがいいかな? それともグアム?」
「人の妹に勝手に手をだすんじゃねぇー!!」
ドガキッ!!
「ぐひょっ!?」
ひゅるるるるるるるるる〜〜〜〜〜〜ちゅどーん!!
壁に叩きつけられて爆発。
あえなく消沈したようだ・・・ふっ。
「…あ、正二さんが死んだ」
「俺は死なないよ、マイハニー」
「うおっ!?」
いつもいつもスグ復活しやがって・・・どんな体の構造しているんだ?
こいつは俺のダチの“正樹 正二(まさき せいじ)”。
五月の次に付き合いが長いのだが、妹のモナを狙っているという憎きヤツだ。
その上、どっちが苗字でどっちが名前かよくわからん・・・。
「正二! お前にはモナはやらんからなっ」
「まぁまぁ、落ち着いてオニーサン」
「てめぇーに“お兄さん”なんて呼ばれる筋合いはねぇー!!」
「お兄ちゃん、そんなに怒鳴ると体に悪いよ」
「そうだよ、マサト」
「誰のせいだと思っているんだーー!!」
ふぅ・・・ふぅ・・・疲れた。
かなり怒鳴り疲れたぞ・・・・いやマジで。
「先輩…、大丈夫ですか?」
「ああ、たぶんダメ」
「え? ど、どっちですか?」
「大丈夫だけどダメみたい」
「お兄ちゃんっ、清子ちゃんをいじめないのっ」
「可愛い後輩をいじめるのは先輩の努めだぞ?」
俺は適当に理由を付けてモナをあしらう。
するとモナは呆れたような顔して、キヨにボソボソと耳打ちした。
(やれやれ、なにを言ってるのかねぇ…)
「それはそうと、キヨもなかなか胸が大きいなぁ」
「え? そ、そうですか?」
「ああ、誰かさんとは大違いだ」
俺がそう言葉を発したとき、なにやら視線を感じる。
それも痛いくらいに・・・。
「マ〜〜サ〜〜ト〜〜! 誰かさんって誰の事かな〜〜?」
「ああ? それはお前だよ、胸無し星人」
「……ぶちっ」
「…ぶち?」
なにやら五月の線が切れたようだ・・・血管でないことを祈る。
「サツキシューーーーーーーーート!!」
バシュッーーー!!!!
豪快な音と共に五月がキックが繰り出される。
だが、何度も同じ技をくらう俺様ではない・・・こんな蹴りなど・・・
「…って、キヨっ!」
「きゃぁぁっ」
案の定、五月を知らないキヨは逃げることを知らない。
だからその場で立ちすくんでしまった。
・・・って、俺はどこにいるんだ?
まぁ、状況説明は面倒くさいので省くことにして、キヨが危ないのは確か。
そんで、俺はすぐ側にいる・・・交わすことはできる。
だが、その場合はキヨが月まで飛んでいくハメになる・・・ううむ。
・・・と、俺の頭は一瞬の間にそこまで考えを巡らせていた。
「男ならかばうベっ」
「きゃぁぁぁ」
「さぁ、五月っ! やるなら俺をやれ!」
手を広げてキヨの前に立つ俺に容赦なく五月の蹴りが向けられた。
ドギャーーーーン!!
「ぐぎょっ!?!?」
・・・ごきっ。
なんだが鈍い音がしたような気がしたが、俺の意識は闇の中〜〜。
そして俺は思いだした・・・
(あ、五月ってば最初から俺を蹴るんだったけ…)
キヨをかばったのが無駄だったような気がしたけど、俺は夢の中〜〜。
るるららぁ〜〜〜♪
るららぁ〜〜♪
・・・ぶくぶくぶく。
トップへ戻る 超14話へ