超14話『聖天使登場!』
超14話
『聖天使登場!』
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『おにい……こほん。マサトさん』
どこからか声が聞こえてくる。
俺の脳に響くように流れる言葉。
『起きてください』
「う、うん…」
気がついた俺は脱兎のごとく起き上がった。
するとすぐ側で驚いた声が聞こえたのだった・・・。
「きゃっ」
「あ? どちらさまですか?」
そこには白い服装に翼を生やした少女、俗に言う“天使”がいた。
俺は自分の目を疑った。
こんな事があるはずがないと・・・。
「……コスプレ?」
「違いますっ!!」
怒られてしまった。
どうやらコスプレと違うらしいが、本当の天使とも思えない。
「もしかして“天使”?」
「そうです」
試しに聞いてみると、そのまんまの答えが返ってきた。
「はぁ、そうですか…。んで、俺になんの用?」
「はい。マサトさんを守りにきたのです」
「守る? まさか、悪魔からとか?」
「はい。厳密に言うと違いますけど、悪魔みたいなものです」
マジですか?
天使も信じられないのに、悪魔なんていきなり言われても・・・。
それに、俺なんかが悪魔から狙われる理由なんてないけどなぁ。
「そうそう、自己紹介が遅れました。私は聖天使・エンジェルモナピー♪です」
そして、プルンと豊満な胸が揺れた。
「うおぉぉー! 聖天使バンザーイ!!」
思わず俺は叫んでしまった。
これも男の悲しい性よのう・・・。
「は、はぁ…」
それはいいとして、“天使”と“エンジェル”が重なっているが可愛いから良しとしよう。
それに胸も大きいし・・・うっへっへ。
「…って、そんなことより、君は妹のモナ?」
「ち、ちちちちちち違いますっ」
この慌てぶりは妹のモナだ、違いない。
だが、俺はよくできた兄なので、ここでツッコムのは止めておこう。
「おーーーーーーーっほっほっほっほ!」
「ん? 誰だ?」
甲高く響く声に思わず聞き返す。
するとガラガラッと豪快な音を立てながら教室のドアが開かれた。
そうそう、俺のいる場所は教室だったんだ。
「あ、あなたはっ!?」
モナピーが驚いたように声をあげる。
その視線の先にはモナピーとは正反対の格好をした少女が立っていた。
「……誰?」
「ふふっ、私は…」
「お前はデーモン・ムネナシンだな?」
「誰がじゃっ!!」
おもいっきり怒られてしまった。
この人(?)はカルシウム不足らしい・・・。
「じゃぁ、ムネナシン☆」
「“☆”マークを付けても同じよっ!!」
「では……ムネナシン♪」
「大して変わって無いじゃないっ!! 胸無し言うなぁー!!」
かなり気にしている様子。
それにしても五月に似ているのは気のせいか?
「ふっふっふ、私は堕天使・ダークサツピー♪よっ!」
「ふーん、悪魔じゃないんだ」
「似たようなもんですよ」
「ちがーーーーう!!」
それはそれでどうでもいいのだが、普通は逆じゃないのか?
天使がナイスバディーで、堕天使が貧相・・・
「貧相って言うなぁーー!!」
ずぎゃーーーーーーーーん!!!!
「ぐはっ!?」
・・・もとい、天使がナイスバディーで堕天使がスレンダーなのってのは・・・なぁ?
やっぱ、逆だろう?
「マサトっ! あなたの魂をもらいにきたわ」
「…え?」
「させるもんですかっ! おにい……こほん、マサトさんの魂は渡しませんっ!」
なんだが、話がスゴイ方向に流れているような・・・はて?
それに俺なんかの魂を取ってどうするつもりなんだ?
自分で言うのもなんだが、ちっぽけな物だぞ・・・俺の魂って。
「残念だが、お前にくれてやるわけにはいかないっ!」
「なに!?」
「お前みたいな貧相なヤツに魂なんかやれるもんかっ!」
「…なっ」
「貧相なヤツにやるくらいなら、ナイスバディーのお姉さんにくれてやるわいっ!」
「………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!
なんだが地面が揺れだした・・・地震なのだろうか。
それにしてはサツピーを中心にして揺れているような気がする。
「マサトさん、危険です!」
「そ、そうみたいだな…」
「死ねーーーー!! マサトーーーー!!!!」
ズビーーーーーーーーーーーン!!!!
ズバーーーーーーーーーーーン!!!!
ズガーーーーーーーーーーーン!!!!
ズドーーーーーーーーーーーン!!!!
ズビョーーーーーーーーーーン!!!!
ズキューーーーーーーーーーン!!!!
ズババババーーーーーーーーン!!!!
ズガガガガーーーーーーーーン!!!!
パオーーーーーーーーーーーン!!!!
ピーポーパーポーーーーーーー!!!!
ビローーーーーーーーーーーン!!!!
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
様々な効果音と俺様の絶叫と共に意識は闇の中へと引きずり込まれたのだった。
………
………
「……はっ!?」
ガバッと起き上がると、そこは放課後の教室だった。
「……あれ?」
他の生徒はガヤガヤと喋りながらダチとダベっている。
そんな中でひとり席を立っている俺はバカみたいだ。
「夢か…」
ちゃんちゃん♪♪
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