超23話『祝! バレちゃいました』
超23話
『祝! バレちゃいました』
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いつからだろうか・・・。
五月が俺のことを“まーくん”ではなく“マサト”と呼ぶようになったのは・・・。
俺があいつのことを“さつきちゃん”ではなく“五月”と呼ぶようになったのは・・・。
最近のような・・・かなり前のような気がする・・・。
いつの間にか時は経ち、俺達は大きくなった。
小さかった頃の面影はなく、あるのは成長した新しい姿。
その中であの頃から変わらなかったのは、俺と五月は“ずっと一緒”という事実。
「…って、らしくない展開だーーっ!!」
カコーーーーーーン!!
帰宅途中である俺は目の前にあった缶をおもいっきり蹴った。
すると・・・
スコーーーーーーーーーーーーン!!!!
「あうっ!?」
1〜200メートルの間の前にいた女の子に直撃した。
バタッ!
「あ、倒れた」
心配になった俺はすぐさま駆け寄ると、その事実に驚愕した。
「し、死んでいるっ!?」
女の子は既に虫の息で、ミイラ化としていた(笑
「………だめか」
最後に“笑”を付けてみたが、事態は好転しなかった。
そりゃそうだ・・・。
「せめて俺の手で埋めてやるからな」
「か、勝手に殺さないでよ……お兄ちゃん」
死んだはずの人間から声が聞こえた。
時空を超えて生き返ったとでもいうのかっ!!
「っと、それよりお前はモナか?」
「…そうだよ。痛い〜」
妹は缶があたった場所をさすりながら起き上がった。
「すまんすまん。お前を狙ったわけではないんだ……蹴ったらあたった」
「………」
「そういうわけだから俺は悪くないんだ」
「ぜんぜんっ、悪いよっ!!」
モナの怒鳴り声に思わず俺はビクつき、素直に謝った。
「すみません」
「もうっ、これからは気をつけてよね」
「…はい」
「わかればよろしい」
そう言うとモナはニッコリと微笑み、笑顔を見せてくれた。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「最近のお兄ちゃんと五月さんって変だよね?」
「変って何が?」
「なんか、妙に態度がよそよそしんだけど…」
「き、気のせいだろ?」
我が妹ながら鋭いな・・・。
これは少しばかり用心せねばなるまい。
「あっ、もしかしておにいちゃん達って…」
「な、なななんだ?」
「私に黙って…」
「………ごく」
「…………………付き合っているんでしょ?」
「………」
そ・・・。
「そのまんまかーーいっ!!」
俺は思わず叫んでしまった。
こういう場合はオチがあったりするのが普通なのだが、まんまじゃねぇーか。
「オチはないのか?」
「ないよ」
あっさり答えられた。
完全なまでにハッキリキッパリこれでもかというくらいに・・・グス。
「えぇー!? お兄ちゃん達って付き合っているのっ!?」
「し、しまった〜〜! バレちまったぁ〜〜!!」
ってな感じで、ザーッとらしくバレましたとさ・・・めでたしめでたし。
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