超24話『脱! シリアス宣言』
超24話
『脱! シリアス宣言』


「今日は皆に集まってもらったのは他でもない。重大な発表があるのだ!」

皆の視線が俺に集中する。

時間は昼休み、場所は俺の教室。
俺様は重大発表をするために全員に集まってもらった。

「最近、この話の路線がズレてきているという報告が多数あったのだ!
 よって、はじめのテンションに戻そうと俺は思うのだが、皆の意見を聞きたい」

そこまで言って俺は席に座る。
すると、それを合図に各自各々自分勝手な意見を述べ始めた。

「マ、マサトが言うなら……私は賛成。でもね、もう最初の関係には戻りたくないの」

「う〜ん、私は今の方がいいかな? だって、最初のお兄ちゃんはただのエロオヤジだもん。
 ねぇー? そう思わない、清子ちゃん?」

「最近の先輩は覇気がないですっ! ワイルドな先輩はどこにいったのですか?」

「ふっ、俺はモナちゃんの意見に大賛成だよ」

ドガキっ!!

「ぐへっ!?」


とりあえず、無断で妹の手を握る正二を殴る。

「あっ、正二さんが死ん…」

「ふっ、ボクは死なないよハニー♪」

「お前は不死身かっ!」

お約束のようにツッコんでおく。
そんなことをしていると、ふと誰かに袖を引っ張られた。

「うん? どうした五月?」

「あ、あのね……私はマサトが好きだから」

「お、おう」

「そ、それだけだから…」

五月はそれだけ言うと、袖から手を離して顔を背けてしまった。
嬉しいけど、結局何が言いたかったのやら・・・。

「あーだこーだ」

「うーだだーだ」

全員の声が意味不明な言葉に聞こえる。
皆、自分勝手な事ばかり言いやがって俺の話を聞いていたんかいっ!?

今にも爆発しそうな頭を抱えていると、再び袖を引っ張られた。

「はいはい、なんだ?」

「落ち着いてね?」

「そうだな。もう、なんでもいーや」

「私はマサトについていくから」

「ありがとよ、五月」

そして俺はひとつの結果を出した。

「よーし! 皆の者、聞けー!!」

俺の怒鳴り声に辺りが静まりかえる。
ついでに言うと、仲間だけでなく教室中が静まりかえったのだ。

「今ここに誓う! 『脱! シリアス宣言(予定)』!!!! 」

シ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!

「そして先人は言った!“予定は未定であって決定ではない”と・・・」

再びシ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!

俺の宣言に誰もが沈黙を守り続けた。





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