第１５話
『小さな愛』

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約束のとき。
あの日から月日が経ち、ついに百合音ちゃんと結ばれる瞬間がきた。

「百合音ちゃん」

「………」

俺のベッドの上でシーツを体に纏いながらちょこんと座る少女。
風呂上がりであろう、近づくと石鹸のいい匂いがする。
小刻みに震える彼女の後ろに回り、そっと体を抱きすくめた。

「緊張しないで…、大丈夫だから」

「う、うん…。でも、ちょっと怖い」

「それじゃぁ、こうしてあげる…」

百合音ちゃんをこちらに振り向かせると、その華奢な体をキュッと抱きしめる。
昔、百合音ちゃんが寂しくて一緒に寝たときのように力強く。

「お兄ちゃんの心臓、どきどきしてる…」

「百合音ちゃんもね」

「…温かい」

目を細めながら俺の胸に顔を埋めてくる。
そんな彼女の頭を優しく慈しむように撫でた。

「震えは止まったかい？」

「……うん」

「そう……、ん」

百合音ちゃんの顔をクッとこちらに向け、口づけをする。
いきなりのことで最初は驚いていたが、徐々に目を閉じていった。

「…んん」

小さな声をもらす百合音ちゃんの肩に手をかけ、シーツをゆっくりとおろしていく。

「ん……やぁ」

俺からパッと唇を放し、可愛い悲鳴を上げる。

「百合音ちゃんの全部、俺に見せて」

「………」

「見たいんだ……いい？」

「……うん」

了承を得た俺は、生まれたままの姿の百合音ちゃんを優しく押し倒した。
そしてその上にゆっくりと覆い被さる。

「手をどかして」

「………」

手で胸を隠す百合音ちゃんの手に自分の手を重ねる。
少しでも動かそうとすると、力を込めて見せないようにしてきた。

「優しくするから」

「………」

「好きだよ……、ん」

手を重ねながら百合音ちゃんに口づけをする。
すると徐々に手から力が抜けていき、難なく手をどかすことに成功した。
俺は口づけをしたまま、露わになった胸を優しく揉む。

「あ……ん……おにい…ちゃん」

「百合音ちゃんの胸、柔らかくて気持ちいい」

「うん……あ……や…」

くにくにと揉みほぐすと、面白いように胸が形を変える。
それを楽しむかのようにゆっくりと優しく揉み続けた。

「おにいちゃん……う……あぅ…」

「百合音ちゃん、気持ちいい？」

「やぁ……そんなこと…聞かないで…」

百合音ちゃんの返事のかわりに、胸の中心にある突起がピンと立っている。
俺はその突起を舌でぺろぺろと舐め、ちゅっと口に含む。

「あうっ……だ…だめぇ…」

「ちゅ……ちゅぅぅ」

「そんなに……吸わないで……きゃぅ」

「ん……おいしいよ」

「お、お兄ちゃんのばかぁ〜」

あまりにも恥ずかしいのか、手で顔を覆う百合音ちゃん。
俺はそんな百合音ちゃんをキュッと抱きしめる。

「百合音ちゃんは自分でしたことない？」

「……？」

「えっと〜、自分で大事なところとか触ったことない？」

「……うん、怖くてあんまり」

「あんまりってことは、少しはあるんだね？」

「う、うん…。お兄ちゃんのことを考えたら我慢ができなくなちゃって…」

耳まで真っ赤に染めて告白する百合音ちゃん。
大胆な告白に俺まで少し照れてしまった。

「そ、そっか。それは嬉しいな」

「…うん」

「………」

「ねぇ、お兄ちゃんも服を脱いで。百合音だけじゃ恥ずかしいから…」

「わかった」

百合音ちゃんから離れ、次々と服を脱いでそこら辺に放り投げた。
そして俺が裸になったところ、百合音ちゃんが俺の体をじっと見つめてくる。
俺はそれを少し不思議に感じ、尋ねた。

「俺の体、変かな？」

「ううん、そうじゃないの。これはなに？」

そう言って俺の腕の傷痕を指さす。
俺はニッコリと微笑み、その理由を答えてあげた。

「百合音ちゃんが小学６年生のころ、事故に遭いそうになったのを憶えてない？」

「憶えてる。お兄ちゃん、そのとき百合音を助けてケガをしたよね？」

「うん。そのケガの痕なんだ」

「………」

百合音ちゃんの顔が暗く沈む。
この傷痕が自分のせいだと思っているのだろう。

「そんな悲しそうな顔をしないで、俺はこの傷痕を勲章だと思っているんだ」

「…勲章？」

「大事な妹を守れた証だと……今でも思っているよ」

「お兄ちゃん…」

「それと、百合音ちゃんを大切にするようにって俺に教えているんじゃないかな？」

「お兄ちゃんは……いつでも百合音に優しいよ」

・・・ギュッ。

俺の首に抱きついてくる百合音ちゃんを優しく受け止めた。
そして背中に手を回し、強く強く抱きしめる。

「続き…するよ？」

「……う、うん」

百合音ちゃんを抱きしめる手を放し、背中を伝って下におろしていく。
するとそのたびにピクンッと小さな体が震えた。

「ぁ……ん」

「百合音ちゃん…」

「ぁっ……そこは…」

百合音ちゃんの大事な部分にさしかかったとき、俺の首に巻かれる手に力が込められた。

「俺も初めてでよくわからないから、痛かったら言ってね？」

「う、うん…」

中指で入り口付近を優しく撫でる。
スリスリ撫でていると、少しずつ入り口から水っぽいものが指に絡んできた。

「…濡れてる」

「うん……お兄ちゃんが触るから…」

「感じてきたの？」

「……うん」

「指、入れるね？」

「ゆ、ゆっくり……してね」

俺はひとつ頷き、中指をちょっとだけ入り口に沈める。

「…ぁぅ」

くちゅっと音を立てながら中指が入っていく。
百合音ちゃんの膣はとても柔らかく、指が溶けそうなほど熱かった。

「百合音ちゃん、大丈夫？」

「ぁ…ぅ……うん、大丈夫だから…」

そうは言うものの、百合音ちゃんの顔は明らかに苦しそうだった。
その姿が見ていられなくなり、膣から指を抜くと、百合音ちゃんが安堵を浮かべる。

「やっぱり、やめるかい？」

「……え？　どうして？」

「その…、これからは先はもっと痛いよ？」

「……でも、そうしないとお兄ちゃんとひとつになれないんでしょ？」

「う、うん……そうだけど」

「だったら、百合音は我慢するから」

百合音ちゃんは決心したような表情を俺に向ける。
その目は真剣そのものだった。

「本当にいいんだね？」

「お兄ちゃんだもん……後悔はしないよ」

「わかった」

百合音ちゃんの体を優しく押し倒し、自分のモノを入り口に押し当てる。

「百合音ちゃん……いくよ？」

「……きて」

ぐっと腰に力を入れ、ゆっくりと百合音ちゃんの中に押し入っていく。
ズズズズと入っていくたびに百合音ちゃんの顔が苦痛に歪む。

「くぅ……い……ぁぅ…」

「大丈夫かい？」

「ぅ……うん、百合音のことは気にしないで……はぁ…はぁ」

「百合音ちゃん…」

「はぁ……はぁ……手を握って、お兄ちゃん」

伸ばしてくる手を掴むと、俺は自分の首に回した。
そしてギュッと百合音ちゃんの体を抱きしめる。

「俺を抱きしめて、好きなだけ抱きしめていいから」

「…お、お兄ちゃん」

「ここから先が一番痛いと思うけど、ほんとうにいいかい？」

俺の質問に百合音ちゃんは無言で頷く。
その真剣に満ちた目に俺は迷いを捨て、今度こそ百合音ちゃんを求めることにした。

「…いくよっ」

ぐぐっと強く腰を押しつけ、一気に最後まで貫く。
その瞬間、プツッと何かが切れた音と百合音ちゃんの悲鳴が響いた。

「あああぁぁぁっ………お、お兄ちゃん……！！」

痛いくらい俺の首を抱きしめる百合音ちゃん。
そんな彼女を俺も力強く抱きしめ返した。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……」

何度も俺を呼びながら涙をポロポロと流す。
目尻に溜まった涙を優しく指ですくい、頭を撫でた。

「お兄ちゃん……い、痛いの…」

「………」

「で、でもね……嬉しいの……とっても嬉しいの…」

「……くっ」

百合音ちゃんの健気な姿に思わす涙が零れた。
俺の全てを受け入れてくれて、俺に全てを捧げてくれた百合音ちゃんが心底愛おしく思えた。

「もう、やめようか？」

「最後まで…、お兄ちゃんに気持ちよくなってほしいから…」

「でも……これ以上、百合音ちゃんを傷つけられないよ」

「それは違うよ、お兄ちゃん。
　百合音はお兄ちゃんに愛されるたびに満たされていくの…。
　お兄ちゃんがしてくれるたびに嬉しい気持ちが溢れてくるの…」

「…百合音ちゃん」

「お兄ちゃんに会うまで、百合音は孤独だった。
　だから、お兄ちゃんは百合音の全てなの、お兄ちゃんが嬉しいと百合音も嬉しいの」

「俺もそうだよ。
　百合音ちゃんが喜ぶと、自分のことのように嬉しかった」

そこまで言って百合音ちゃんに口づけをした。

「…ん」

「百合音ちゃん、舌をだして」

「……こう？」

可愛い舌を突き出す百合音ちゃんに自分の舌を絡める。
ぴちゃぴちゃと卑猥な音が静かな部屋に響く。
舌を絡めながら、ときおり吸い上げたり口内をペロペロとなめ回す。

「……あ、あふぅ」

唇を離すと、俺と百合音ちゃんの間に唾液の架け橋ができた。
だが、それもすぐに闇へと消える。

「ふぅ……お兄ちゃん……気持ちよかった」

「うん、俺もよかったよ」

「えへへっ、百合音もお兄ちゃんを喜ばせることができたんだぁ〜」

「そうだね」

「うんっ、動いていいよお兄ちゃん」

俺は無言で頷き、ゆっくりと腰を動かし始めた。
百合音ちゃんの膣はしっかりと潤っており、スムーズに動くことができる。

「あ……うん……ぃ……」

「……くっ、気持ちいいよ」

「よ、よかった……あん……ぅん」

まだ少し痛いのだろうか、顔を歪めながら無理に笑みを作る。
その笑顔が痛々しくて、俺は早く終わらせるため、さっきより早く腰を動かした。

「う…ぅ……あぅ…」

「百合音ちゃん、少しだけ我慢してね……くっ」

「う、うん……ぁぅ……ぁ」

いつしか俺は腰を強く打ち付けていた。
あまりの快楽に百合音ちゃんの体のことを忘れ、絶頂へと向かい始める。

「ぃ……いた……おにいちゃん……あぅ」

「百合音ちゃん……百合音ちゃん…」

「ゆりね……もう…」

限界が近いのか、百合音ちゃんの体が小刻みに震え、俺を抱きしめる手に力が入る。
俺もギュッと百合音ちゃんを抱きしめ返し、さらに激しく腰を打ちつけた。

「あぅ……ゆりね……ほんとうに…」

「百合音ちゃん、もう少しだけ我慢して……俺ももう少しで…」

「うんっうんっ…」

何度も頷き、ギュッと目を閉じて我慢する百合音ちゃん。
そんな健気な姿に俺も徐々に高まっていく。

「お兄ちゃん……ゆりね……あぅ……だめ…」

「お、俺ももう……」

「お兄ちゃんっ」

百合音ちゃんの膣から引き抜こうとしたが、足がしっかり俺の腰の固定されていて抜くことができなかった。

「ゆ、百合音ちゃん…」

「い、いや……離れないで…」

「百合音ちゃん……くぁ」

「だめ……あぁぁぁぁぁぅぅ」

限界に達した俺は思わず百合音ちゃんの中で想いの限りを放つ。
それと同じように百合音ちゃんも絶頂を迎えたのか、ぶるぶると体を震わした。

どくどくどく・・・。

俺のモノから出た白濁液が次々と膣内に放たれる。

「くぅぅ………はぁ……はぁ…」

「ぁぁ……お兄ちゃん……中に出てる」

「くっ…！」

「あ、熱い……お兄ちゃんのが…」

俺の体から力が抜け、グッタリと百合音ちゃんの上にのしかかってしまった。

「お兄ちゃん、重いよ〜」

「ご、ごめ……ん…ね」

気怠い感覚と共に俺の意識は徐々に闇へと沈んでいった・・・。

………

「……う…ん？」

「目が覚めた？」

「百合音……ちゃん？」

いつの間にか仰向けに寝ている俺の上に、嬉しそうに寝そべっている百合音ちゃん。
どうりで重かったわけだ・・・。

「俺……寝ちゃったのか」

「うん、そうだよ」

「ごめん。少し疲れていたみたい」

「いいの。お兄ちゃんは百合音のために今まで頑張ってくれたんだから、休んでほしい」

そう言って俺の胸に頬をすり寄せてくる百合音ちゃん。
その姿は甘える子猫のようだった。

「お兄ちゃんは知ってた？　百合音はずっと前からお兄ちゃんのことが好きだったって」

「いや、正確には知らないな？」

「事故に遭いそうになったのを助けてもらったときから、百合音はお兄ちゃんのことが好きだったんだよ？」

「え？　そんなに前から！？」

正直驚いた。
百合音ちゃんが俺を好きになったのは高校生ぐらいで、それまでは憧れだったのではと思っていたのだが。

「あのときから気持ちはちっとも変わってないんだよ。
　ずっとずーっと前から百合音はお兄ちゃんが大好きだったんだ」

「………」

「お兄ちゃんは“憧れ”だと思っていたかもしれないけど、私は小さいころから“好き”だったの。
　好きで好きで、小さいながらもお兄ちゃんのことを愛していたんだよ？
　誰よりもお兄ちゃんが好きで、誰にもお兄ちゃんを取られたくなくて…」

嬉しそうに秘密を語る百合音ちゃんを俺はギュッと抱きしめた。
ただ、その温もりがとても感じたかった。

「やっと、私の想いが叶ったね？」

そう囁く百合音ちゃんの瞳から一筋の滴が流れた。
それはとても熱く、喜びに満ちた涙だった。

百合音ちゃんがたえず俺に注いでくれていたもの。
それは限りない兄への“好意”と――

“小さな愛”だった――。

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