ネコ拾う

ネコ拾う



ザーーーーーー

雨…
雨が降っている…

今は夜…そして俺は学校の帰り…
何かある…!
俺のカンがそう言っているっ!!
そんなことを考えながらトボトボ歩いていた…

「…にゃ〜ん」

「…ん?」

どこからかネコの鳴き声が聞こえた。

「………」

……はぁ。
俺は声の主をすぐ見つけることができた。
なぜなら、『誰か拾って下さい』と書いてある箱に入っていたからだ。

「にゃ〜〜ん」

「もしかして…俺?」

そのネコはお約束のように、俺に向かって助けを求めるような声で鳴いた。

「…にゃ〜ん…」

「…やっぱり」

…と言うことは、俺が拾わなきゃいけないんだよなぁ…
………
この状況じゃ、俺が拾って帰るのが王道なんだろうな…
そう思いながら、俺は腹をくくった。

「………」

「…にゃ〜ん」

「………」

「……にゃ〜〜ん」

「…わかったわかった。拾ってやるから、そんな声で鳴くな」

「…にゃ〜ん?」

こいつの鳴き声が変わった。
もしかして、俺の言葉を理解したのか?

「………」

「…にゃ〜〜ん」

まぁ、そんなことはどっちでもいいか。

「…ほれ」

「…にゃ?」

俺はネコを掴み、制服の中に放り込んだ。

「…にゃぁ…」

人間に抱かれるのが怖いのか、ネコは制服の中でガタガタと震えだした。

「ほーら、大丈夫だ」

震えるネコを俺は、制服の上から撫でてやった。

「………」

「…にゃ〜〜」

しばらく撫でてやると、落ち着いたのか、胸元からひょっこりと顔を出してきた。

「ははは。さーて、家に帰るか」

「にゃ〜〜ん☆」

俺の言葉を理解したのか、ネコは嬉しそうな声をだした。

…やれやれ。
俺はひとつため息を吐き、家に向かって歩きだした。





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