ネコ家族入り

ネコ家族入り


ガチャッ

「ただいまぁ〜」

「おかえり。今日は遅かったわね」

「ちょっと、友達につかまっちまって…」

「あらあら…」

…さて、どうしたものか。
一応、このネコを飼っていいか聞いてみるか…
たぶん、聞くまでもないと思うけど。

トコトコトコ

「母さ〜ん」

俺は母のいる台所に行き、声をかけた。

「…なに?」

「あのさ…、ネコ飼っていいかな?」

「ネコ?」

「ああ。誰か拾って下さいってあったから拾ってきたんだ」

「そうなの…。母さんは別にいいわよ」

「ほんと?」

「ええ」

さすが、俺の親だ…
心が広いぜ……いや、広すぎるぜ!
やはり、返事は聞くまでもなかったな。

「ただし、最後まで責任を持って育てるのよ」

「わかってるよ」

そして俺はネコを連れて自分の部屋に向かった。

………

部屋についた俺はネコを床におろした。

「………」

「…にゃ〜〜ん」

するとネコは、部屋の中をうろうろと歩き回りだした。
………
ほっといても大丈夫だろう。
…さて、まずは何をやるべきか…

「う〜ん」

俺は考えた。
何をやるべきか…

「…まずはエサだな」

そう閃いた俺はすぐさま台所に向かった。

………

「母さ〜ん」

「なに?」

「牛乳くれっ」

「そんなの勝手に持っていきなさい」

「わかった」

俺は牛乳を器に入れて部屋に戻った。

………

「お〜〜い!ミルクを持ってきたぞぉ〜」

「にゃ〜〜ん☆」

器を下に置くと、ネコはお腹が空いていたのか、すごい勢いでミルクをたいらげた。

「そうかそうか…、そんなに腹が空いていたのか」

「にゃ〜〜ん」

エサもあたえたことだし、次は…
そうだっ!名前でもつけてやるか…
う〜〜ん。
何がいいかなぁ〜?

「お前はどんな名前がいい?」

「にゃん?」

ネコは首を傾げた。
そりゃそうだ。ネコに聞いたところで意味がない。

「う〜〜〜〜〜ん」

…めんどくさいから、やーめた。
俺はあっさりと名前をつけるのを諦めた。

「……ん?」

ふと時計を見てみると、1時を過ぎていた。

「もうこんな時間か…」

今日は友達につかまって、遅くまで連れまわされたんだよなぁ…

「ふぁ〜〜」

疲れたし、もう寝るか。

「んじゃ、おやすみ」

「にゃ〜ん」

俺はネコに一言声をかけてベッドの中にもぐり込んだ。

………

ペタペタ…モゾモゾ

「………ん?」

「にゃ〜〜ん」

ネコが俺のベッドの中に入ってきた。

「なんだ…、寒いのか?」

「にゃ〜ん」

「そうか、こっちに来い」

「にゃ〜〜ん☆」

俺はネコを自分の方に抱き寄せた。
う〜〜ん。動物を飼うのもいいもんだな…
そんなことを考えながら、俺は眠りについた。

そして、このネコは今日から家族の一員となった。





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