第3話『触れたものは空虚な存在(カタチ)』
第3話
『触れたものは空虚な存在(カタチ)』



その存在は儚かった。
此処にあるのかさえわからない・・・何処にいるのかさえわからない。

そんな空虚なもの。
そんな虚無なもの。

唯一あるのは存在、カタチだけであると何かが囁いた。
誰かが必然と呟いた。

「おい、風呂に入れ」

「………」

少女は俺の言葉に返事をしなかった。
それは初めて会ったときから変わらない・・・。
だが、何かが少しずつ変わり始めていた・・・時間(とき)が刻むごとに。

「仕方がない」

俺は呟くと少女の腕を掴んで脱衣所に向かう。
目的の場所に着くと少女の着ている衣類に手をかけ、無言で引き剥がした。
少女は一切の抵抗もすることなくされるがまま。
そして、そこに現れたのは透き通るような裸体・・・少女の体は純粋だった。

「……綺麗だな」

「………」

どことなく少女の頬が赤く染まったような気がした。
そんな少女の素朴さが心の奥底に眠る欲を引き出していく。
俺は耐え難いリビドーを押さえるかのように少女を浴室に連れて行った。

「さっ、体を洗うぞ」

「………」

少女に石鹸をつけたタオルを渡すが、何もしようとはしない。
強制的に洗わせるようにするが、それでもなお理解することはなかった。

「俺が洗ってもいいんだな?」

「………」

「無言は肯定と受け取るからな」

少女からタオルを取りあげると、痛くしないように洗い始めた。
最初は手の先から洗い、続いて腕を伝っていって背中にいく。
何もかもがされるがままの少女、その姿は生まれたばかりの赤ん坊を彷彿とさせた。

白い肌、小さい体、狭い背中。

全てが幼かった。
どれをとってもあいつだった。
どこを見ても限りなく似ていた。

「本当に……帰ってきたのか?」

「………?」

「そんなわけ………ないよな」

後ろから華奢な体を抱きしめた。
少女は抵抗しなかった・・・したくても知らないのかもしれない。
その行動に救われた気がする、俺の心はどこかで拒絶を恐れていた。

その存在が夢でも幻(まぼろし)でもどうでもよかった。
そこにある空虚な空間でさえ満足できた。

それだけで十分だった・・・俺が少女を求める理由は・・・。

「小さな胸だな」

「……ぁぅっ」

半ば無理矢理にタイルの上に仰向けにして押し倒すと、小振りな胸に手をやった。
すると、少女が小さな声をあげる・・・それは脳を直接刺激するような響き。
それを合図とするように俺は吸い寄せられるように顔を寄せた。

「……ん」

「……!?」

何度目かもわからない口づけ。
だが、それは飽きることのない幻想的な瞬間。
胸の中の想いが際限なく積もり、流れていく・・・。

「はじめは痛いかもしれないが、我慢できるか?」

「………?」

俺のモノが少女の入り口に触れると、一瞬顔が強張った。
何かを感じ取った様な視線を向ける少女に俺はそっと頬に手を触れる。
そして子供をなだめるように優しくさすった。

「大丈夫だ。優しくする」

「………」

「……大丈夫」

「………」

俺はグッと腰に力を入れ、そのまま少女の膣内を突き進んだ。
瞬間、少女の顔が苦痛の色を浮かべる。
その証として結合部分からタイルに向かって一筋の赤い線が流れていった。

「ぁぅ……ぅ…」

「ごめん、痛かったよな?」

「……ぅ」

「涙なんか似合わないぞ」

少し照れたように言い捨てると、目尻の涙を指ですくい優しく2度目の口付けをする。
少女はその行動に安堵の表情を浮かべると静かに目を閉じた。
俺はそのまま少女を抱きかかえるように背中に手を滑り込まして抱きしめると、
そんな俺に応えるように少女も弱々しく手を回してきた。

「ふぅ…。まだ痛いかもしれないが、少しだけ我慢してくれ」

「………」

少女の唇から解放されると、俺は少しずつ小さな体を蹂躙していった。
幼い顔が苦痛の表情に歪むが、ほとばしる感情には逆らえない。
欲望は果てることなく、むしろ膨れあがる一方だった。

「…ぁぅ……ぅ」

「あっ……あと少しだから」

あまりこういうことに慣れてない俺は限界に近かった。
言葉の通り、そんなに時間が過ぎることなくその時はきた。

「……ぁぅ」

「…くぅっ!」

我慢しきれなくなった俺のモノは少女の膣内で弾ける。
ドクドクと精液が流れ込むたびに少女の体は小さく痙攣した。

そこには確かにあった。
存在と温もりが手の中にあった。

幻でもない・・・夢でもない・・・。

空虚な時間と虚無の狭間に・・・。





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