第3章−1『懐かしき再会』
第3章−1
『懐かしき再会』



 ディーセントの入り口と呼ばれる国境の町、フォルフ。
 その町にナツキとリアラはたどり着いた。数日間にも及ぶ野宿と森の中の移動にふたりのなりはお世辞にも綺麗とは言い難いほどであった。
「ここがディーセントの入り口にあたる町“フォルフ”」
「綺麗な町ですね」
 リアラが感心したように、フォルフの町はスライブに比べると雲泥の差である。町の中心には噴水があり、水が豊富にあることを示していた。町並みも綺麗に整っており、建物なんかはしっかりした素材でできているなど、スライブとは根本的に作りが違っていた。もちろん奴隷市場などはない。ディーセントはこの国独自の制度で奴隷制度を厳しく取り締まっている。それを不思議に思う国民もいるが、大半はおおむね納得したように受け入れている。やはり、世界で決まっている規律はなかなか万人には受け入れられないようである。
「さて、まだ昼だが宿に行くか」
「そうですね。あっ、それなら私が探してきましょうか?」
「その必要はない。俺の記憶が確かなら少し行った先にあるはずだ」
「そうですか」
 麗らかな昼下がり、平和な空気に包まれたフォルフの町をふたりは並んで歩いた。もちろん目立たないわけはなかった。ナツキのなりをはじめ、一目で奴隷をわかるリアラなど人々の視線の的である。
 それに気づいたのか、リアラはナツキの後ろに隠れ、長くのびるマントを掴みながら呟いた。
「みなさんの視線が集まってるような気がします…」
「そうだな」
「私ってそんなに変ですか?」
「いや。むしろ俺の方かもな…」
 ナツキはそれだけ言い、全く気にしない様子で足を進めた。
 そのナツキが町の中央にある噴水広場まで行ったところで急に立ち止まった。何も知らないリアラはそのままの勢いでナツキの背中にぶつかってしまったのである。
「いたたっ!ナツキ様?」
「………」
 ナツキは無言で前方を見つめていた。その先には全身を白っぽい服装で包み、綺麗な顔立ちにスラッとした体型。腰のあたりまでのびる髪をそよ風に靡かせている。美人という形容が当てはまる女性もナツキの方を見つめていた。そして何かを確認したような表情をすると、飛び出すように駆けだした。
「――ナツキっ!!」
「…ア、アリシア?」
 いきなりナツキの胸に飛び込んできた女性に困惑しながらも名前を呟いた。
 リアラは突然の出来事でなにを言っていいのかわからず、ただ呆然と事を見つめているだけだった。
「もうっ、今までどこに行ってたのよ!心配したんだからっ!」
「いろいろあってな。心配かけて悪かった」
 アリシアと呼ばれた女性は目尻に溜まった涙を指で拭いながら顔を上げた。そこにはかつてのナツキの顔はなく、“ブレイド”として立派になった男の姿があった。
「しばらく見ないうちに変わったね。ケガなんかしちゃって…。その目、見えないんでしょ?」
「まぁな。アリシアこそ綺麗になったじゃないか」
「そんなお世辞を言うなんて、本当にナツキなの?」
「俺はそのつもりだがな…」
 ふたりは懐かしさに笑顔を零した。それを見ていることしかできなかったリアラは胸がギュッと痛む。自分以外の女性に笑顔を向けるナツキを見たくないのである。奴隷の自分が唯一誇れるのは主人の向けてくれる笑顔と弱さ―――それが全てだと思っていたリアラにとってアリシアは嫉妬以上の存在だったのである。
「あの、ナツキ様…」
「ん?ああ、紹介がまだだったな」
「あら?可愛い子を連れているわね、もしかして彼女?」
 リアラの存在を知ったアリシアの言葉に顔を赤くしながらも、彼女はこう言った。
「ナツキ様の奴隷の“リアラ=フォーティン”と言います」
「お、おいっ…!」
「奴隷って…」
 アリシアは疑いの眼差しをナツキに向ける。ナツキは頭をかきながら誤解だと弁解する。
「確かにリアラは奴隷だった。でも、今は俺の彼女だ」
「…ナ、ナツキ様っ!?」
「………」
 リアラは泣きそうな顔をしながらナツキのマントに顔を埋めた。その光景を見たアリシアは複雑な心境だった。
 かつて想いを寄せた男性。実は今でも寄せているのだが、その彼が今ではすっかり逞しくなり、彼女を連れていたとなれば内心穏やかではない。だが、アリシアはそれで他人に当たり散らすほど子供でもなかった。
「まぁ、それはさておき、いつこっちに戻ってきたの?」
「着いたばかりだ。それで宿に行くところでお前に会ったんだ」
「それなら私の家に泊まればいいじゃない?どうせお金もないんでしょ?」
 リアラはアリシアの言葉にピクッと反応した。ナツキの財布の番人である彼女に火をつけたのである。ナツキの背中から顔だけ出して言い放った。
「お金は心配ありません。ナツキ様はたくさん持っています!」
「そういうことだ」
「ふーん。でも、泊まっていきなさいよ。母だって喜ぶわ」
「お母さんは喜んでも、お父さんは喜ばないんだろう?」
「まぁね。父は“ブレイド”嫌いだから…」
 アリシアの言うとおり、彼女に父は“ブレイド”を嫌っているふしがある。数年前に息子(アリシアの兄に当たる)が“ブレイド”の仕事に就き、その途中で命を落としてしまったからである。その出来事以来、アリシアの父は“ブレイド”を嫌うようになった。また、母の方はナツキを亡くした息子の面影を重ねてしまっているらしく、顔を出すと喜ぶのである。
「ねぇ、母のためにも顔ぐらい出してよ?」
「……わかったよ。おばさんにはお世話になったからな」
「本当?ありがとうっ」
 アリシアは嬉しそうに飛び跳ねると、チュッと素早くナツキにキスをした。
 不意をつかれたナツキは思わず後ずさりした。リアラはなにも言えず、ただ不安を募らせるだけだった。
「お帰りなさいっ、さっきのは挨拶よ」
「あ、挨拶でキスはないだろう?」
「こんな美人のキスなんて、もらいたくてももらえないわよ?」
「自分で言うなよ…」
「それもそうね。それじゃぁ、私は先に戻ってるから…」
 何事もなかったようにアリシアは去っていった。一陣の風が吹き、取り残されたふたりは少しばかり気まずかった。
「彼女は昔、世話になったことがあるんだ…」
「彼女……だったんですか…?」
「いや。彼女は俺を好きだったみたいだが、俺は別にそうじゃなかった…」
「本当ですか…?」
「…ああ」
「……ほんとう?」
「疑り深い奴だな…」
 ナツキはなかなか信用しないリアラをどう信用させようか考えた。だが、女性の扱いに不慣れなナツキにそのすべは浮かぶはずもなく、頭を抱えるはめになった。
 頭をポリポリかいて困り果てているナツキの姿を見てリアラはふぅっとひとつ息をついた。
「ナツキ様を信じてあげますっ」
「助かるよ。それと、さっきのは――つまり、俺の不注意であったわけで…」
「いいんです。それでも私は信じてます」
 リアラの言葉にナツキは満足し、再び歩き出した。その後を少し表情を陰らせながらリアラが着いていった。

 “クライス診療所”――看板にはそう書いてある。
 アリシアのフルネームは“アリシア=クライス”、つまり彼女の家はフォルフでも有名な診療所なのである。普段は様々な客で賑わっているのだが、今日はもう店じまいのようで『本日の診察は終了いたしました』という立て札が入り口に掛かっていた。
 ナツキとリアラが診療所に着いたときには、日は暮れていた。ナツキが少しばかり懐かしんで町を歩いていると、リアラも嬉しそうに町を眺めていたので観光をしていたら、時間がかなり経過していたのである。
「ここがアリシアの家だ」
「へぇ、アリシアさんの家って“診療所”なんですね」
 看板を見てリアラは驚いた声を上げる。
「それも町一番の腕という評判のな」
「凄いですね!でしたら、アリシアさんも凄腕なんですね?」
「そうだな。彼女は“ヒーリング”だが、並のものじゃない」
「私もそれぐらい“資質”があったら、ナツキ様をお手伝いできるのに…」
 落ち込むリアラにナツキは無言で頭に手のひらを乗せた。リアラが小さな声をあげると、その手をゆっくりと動かした。
「治療専門のところだからな。リアラには少し受けてもう」
「わ、私ですか?」
「お前の体の傷跡を消してもらうだけだ…」
「……ありがとうございます」
 リアラの消えてしまいそうな礼を聞いたかは知らないが、ナツキは黙ってドアに近づくと軽くノックした。すると中から返事が聞こえ、少ししてドアが開いた。
「はいはい、どちらさま――」
「久しぶりです。おばさん」
「まぁ、ナツキさん!しばらく見ないうちに逞しくなって―――その目!どうしたんですか?」
 久々に会ったアリシアの母にナツキは笑みを零した。
 本当に親子だな、アリシアと同じ事を言ってる・・・。
「見えてないですけどね、大丈夫です」
「治療してみましょうか?治るかわかりませんけど、少しぐらいなら見えるようになるかもしれませんよ?」
「いえ、俺のことはいいんです。それよりこの子をお願いします」
 ナツキは自分の後ろに隠れているリアラを引っ張り出す。慌てたリアラは目の前にいる人物に気づくと礼儀正しく頭を下げて自己紹介をした。
「は、はじめまして。“リアラ=フォーティン”と言います」
「あらあら、可愛い子ね。私はアリシアの母の“マリア=クライス”です」
 リアラにつられてマリアも頭を下げる。それを見たリアラは再び頭を下げた。
「それで、おばさん。リアラの体にある痕を消してやってほしいんだ」
「ナツキさんの頼みだもの、断るわけにはいかないわね」
「すみません」
 すまなそうに頭を下げるナツキを見てマリアはふふっと微笑んだ。その笑顔には愛情が含まれていた――それは異性に対してではなく、息子に注ぐ愛情だとリアラは直感した。
「――それで、ナツキ君は今までどうしてたのかね?」
 アリシアの家のダイニングにふたりの男が向き合って座っている。
 ナツキの目の前にいる中年の男性は“グレッグ=クライス”、つまりアリシアの父親である。
 リアラが治療を受けている間、グレッグに顔を出したのである。ナツキとしてはあまり話したくはないのだが、なんだかんだ言いながらも世話をしてくれるグレッグに挨拶をせずにはいられなかった。
「そうですね、世界を見てきました」
「ほう、世界かね?して、その感想は?」
「いろいろな人に会いました。良いも悪いも含めて、様々なことを学びました。頼れるものは己自信、そう考えてひとりで生きてきました」
 グレッグは黙って話を聞いた。ナツキもまた今までの旅を振り返るように懐かしみながら語る。
「それもまた間違いだと気づきました。人はひとりでは生きていけない、寂しさには誰も勝てない――と」
「つまり、人のことの前に自分のことを理解していなかったと言うことだな」
「ははは、手厳しい意見ですね。その通りですよ、数日前までとても自分は荒んでいました――恥ずかしながら気まぐれで奴隷なんか買ってしまいましたよ」
「初めてあったときの君ならそんなことはしなかったな…」
「言い返す言葉もありません。でも、今はその人は俺の大切なパートナーです。うまく言えないけど、これからの旅になくてはならない存在なんです。そして俺に人の温もりを思い出させてくれた大事な人なんですよ」
 ナツキが言い終わるとグレッグはニヤリと笑った。
「よい旅をしてきたな。“ブレイドマスター”――どれほどの男かと思っておったが、これほど優れた人間だとは予想外だよ」
「おじさん…」
「おかえり、ナツキ君。喜んで我が家に歓迎しよう」
「あ、ありがとうございます!」
 ナツキは笑顔で頭を下げた。そんな彼にグレッグは息子を見るような眼差しを向けた。
 会話が一段落着いたとき、ダイニングのドアが開かれた。中に入ってきたのはアリシアとその母、そして治療を受けて綺麗になったリアラだった。ナツキはアリシア達の方に顔を向けると丁寧に頭を下げた。
「リアラのこと、ありがとうございます」
「ナツキさんったら、そんな他人行儀みたいで嫌だわ」
「そうそう、ナツキったらいつの間に遠慮する人間になったわけ?」
「俺ははじめからこうだっ」
 皆が一斉に笑う。その中でリアラだけはぎこちなかった。
 ナツキは手招きすると、近づいてきたリアラを抱え上げて自分の膝の上に座らせた。
「きゃぅっ、ナツキ様?」
「おじさん。この人がさっき言っていた人です」
「そうか。これはまた可愛いお嬢さんだな」
「…なんの話ですか?」
 不思議そうに尋ねるリアラ。だが、聞きたそうにしているのは彼女だけではなかった。
「私も聞きたいわ。お父さん、なんの話なの?」
「それは――なぁ?ナツキ君」
「ええ、そうですね」
 ふたりの息のあった会話に3人とも目が点になった。リアラは事の意味が分からず、アリシアはあんなに不仲だったふたりがこんなに仲良くなっているなんてどういうこと?――とでも言いたい様である。
「あらあら、仲のいいことですね」
 マリアだけは理解したように嬉しそうに微笑んだ。アリシアはそれでもなお疑問は晴れなかった。

「それにしても綺麗なったな」
 ナツキは湯船につかりながら言った。
 ふたりは夕食の後、一緒にバスに入ったときのこと。ナツキは白い肌に傷がひとつもなくなったリアラの肌に関心の声を上げずにはいられなかった。それは中に入っても何度も繰り返された。
「あ、あんまり見ないでください。恥ずかしいです…」
「いや、リアラがこんなに綺麗だなんて誰も奴隷だなんて思いやしないさ」
「アリシアさん達も私の傷跡を見たとき驚いていました。こんな酷い傷は見たこと無いって…」
 リアラの言葉にナツキも初めて裸を見た時を思い出した。あまりにも痛々しくて、目を覆いたくなるような傷だった。傷の深さや数で言ったらナツキの方が何倍もあるのだが、それは意味が違う。リアラのはただの虐待でできた傷だけに“ブレイド”の傷とは深みも重さも比べものにならないのである。
「ほら、いつまでも体を洗ってないで湯船に入ってこい」
「え?で、でも…」
 恥ずかしそうにモジモジしているリアラに頭からお湯をかけると、ナツキはその体を掴みあげて無理矢理湯船の中に引き込んだ。
「きゃっ、熱いです…」
「少しぐらい熱い方がいいんだ」
「………」
 大人ふたりぐらいが入ることができる湯船でナツキとリアラは無言で見つめ合った。
 どちらということもなく瞼が閉じられると、自然とふたりの顔が近づいた。
「………」
「…んん」
 触れる唇。二度目のキスは互いに落ち着いて相手を思いやりながらする事ができた。だが、ぎこちなさは残る。たどたどしいキスが終わると、ふたりの顔から火が噴いた。
「ナ、ナツキ様の顔……真っ赤ですよ」
「お前もな…」
「………」
「………」
 しばらく沈黙の時間が流れた。その緊張を破ったのはナツキの手だった。恐る恐る伸ばした手は申し訳ない程度に膨らむリアラの胸にそっと触れた。
「あっ、ナツキ様?」
「そ、その……いいか?」
「こ、ここでするんですか?」
「嫌か?」
 リアラは申し訳ないと思いながらも小さく頷いた。その顔は今にも泣きそうな表情をしており、ナツキは手を引くしかなかった。
「…すまない」
「あ、あの…。できれば……ベッドで抱いてほしいです…」
 リアラの消えそうな声は最後の方はナツキに聞こえていないかもしれない。だが、ナツキはリアラの気持ちを感じ取ったように唇に優しく触れた。
「……ん」
「わかった。リアラに従おう」
「…はいっ」
 嬉しそうに微笑むリアラ。ナツキはその笑顔に満足すると綺麗にのびる髪に手を伸ばした。
「ふふっ、私の髪、ずいぶんと短くなっちゃいました」
「そうだな。でも、こっちの方が動きやすい」
「女心がわかってませんね。ぜんぜん誉め言葉になってませんよ?」
 リアラに言われてナツキはバツが悪そうに頭をかいた。
「ナツキ様は短い方が好きなんですか?」
「別に好みはないが…、長いのも嫌いじゃないな」
「例えば……アリシアさんみたいなのも?」
 ナツキはドキッとした。どうしたらこの会話の流れでアリシアの名前が出てくるのだろうか、その疑問がナツキの頭に浮かんだ。しかし、リアラの方を見ると少し冷たい視線を向けている。どうやら昼間のことを疑っているようだ。
「あ、あいつは関係ない…」
「………」
「どうしたら信じてくれるんだ?」
「……ぅぅ、ぐすっ」
 突然リアラが泣き出した。ナツキは意味も分からず、あたふたするばかりである。
「ど、どうした?」
「私、ナツキ様を信じたいけど、私は奴隷だから……ナツキ様はご主人様だから…、わたし…わたし…」
「……リアラ」
「アリシアさんは美人だし、そのうえ“ヒーリング”だからナツキ様にお似合いだから、私の入り込む隙間なんてどこにもない。どこにもないから…」
「バカだな。そんな必要はどこにもない」
 子供のように泣きじゃくるリアラをナツキは優しく抱きしめた。
「お前がいたいのならずっと俺の側にいろ。俺の面倒を見てくれ…」
「ぐすっ……奴隷としてでもいいんですか…?」
「そうじゃない。うまくは言えないが、リアラとして側にいてほしいんだ」
「…ナツキ様」
「だから…、リアラが嫌なら無理には言わない。俺としては側にいてほしいが――いや、いてくれなくては困る」
 ナツキが混乱している間にリアラに笑顔が戻っていった。ナツキの口べたながらも自分が必要としてくれることが嬉しくて、リアラは自分でも気づかないうちに笑いが零れていた。
「ナツキ様ったら、かわいいっ!」
「か、からかうなっ!」
 ナツキは顔を真っ赤にしながら湯船を出ると、不機嫌そうに出ていこうとした。それを見たリアラは慌てて謝る。
「す、すみません!出過ぎたことを言ってしまいましたっ」
「いや、それはいい。俺は先にあがるからな」
「…は、はい」
「自分の部屋に戻っているからな、お前もあがったら来い」
「……え?」
 ナツキはそれ以上なにも言わずにそそくさと出ていった。ひとり残されたリアラは湯船につかりながら、先ほどのナツキの言葉を思い出した。
「後で自分の部屋に来いって―――!?」
 意味を理解したリアラは頭から湯気が出そうなほど真っ赤に染まった。
「ナ、ナツキ様ったら……きゃっ!」
 リアラは頭のてっぺんまで湯船につかると、今度はなにを思い立ったのか、おもむろに湯船からあがると再び体を洗い出した。
「綺麗な体にしておかないと、ナツキ様に嫌われちゃう」
 リアラはバスから出るのはこれから30分後の話であった・・・。





トップへ戻る 第3章−2へ