■大日如来
宇宙の真理そのものをあらわすとされる密教の絶対的中心の仏です。未(ひつじ)、申(さる)年生まれの守護本尊です。ヴァイローチャナ。毘盧遮那(びるしゃな)仏。
■阿弥陀如来
阿弥陀如来は西方にある「極楽浄土」を統治し、人々を救済する仏です。観音菩薩、勢至菩薩を両脇に加え、阿弥陀三尊とします。戌(いぬ)、亥(いのしし)年生まれの守護本尊です。
■観音菩薩
人々の危難に際し、救いの手を差し伸べるといわれている菩薩です。その名をとなえれば七難をまぬがれ、礼拝すれば財を蓄え福をなすともいわれ、今も多くの人々が篤く信奉しています。子(ねずみ)年生まれの守護本尊です。
■千手観音
千の手と千の慈眼をもつ観音菩薩です。千の目で人々を見守り、危機に際しては、その千の手を差し伸べます。一切の衆生を救うという大慈大悲の菩薩です。
■虚空蔵菩薩
虚空のように無限の智慧と功徳を内にもつことから虚空蔵菩薩とよばれます。その手に持つ如意宝珠は、すべての願いを叶える宝珠です。福徳をつかさどるとともに、知恵を授ける菩薩です。丑(うし)、寅(とら)年生まれの守護本尊です。
■文殊菩薩
悟りの知性的側面を象徴し、知恵第一の菩薩です。学業を助け、智慧を授けます。「三人寄らば文殊の智慧」はここから来ています。卯(うさぎ)年生まれの守護本尊。
■普賢菩薩
サンスクリット語ではサマンタバッドラといい、「あらゆる方面において賢明な者」の意味。増益、長寿の徳があるとされています。辰年・巳年生まれの守り本尊です。功徳は女性守護・法華経行者守護・息災延命。
■勢至菩薩
勢至菩薩は観音菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍をつとめます。宝冠には水瓶の標識が描かれ、智慧をあらわす菩薩です。午年生まれの守り本尊です。
■不動明王
大日如来の怒りの化身であるともいわれます。人々を救うためあえて厳しい姿をとり、一切の障難やけがれを焼きつくす明王です。酉(とり)年生まれの守護本尊です。
■十三仏
よく知られた諸尊を十三尊集め、三十三年の年忌にあわせ、その守り本尊として配置したものです。ご先祖様へのご供養になり、また、子孫を繁栄させる功徳があるといわれています。
■薬師如来十二神将
日光・月光菩薩を脇侍とした薬師如来を中央に、十二支に対応した十二神将が周囲をかためます。薬師如来は、大医王仏とよばれ、病苦を除き安楽を与える現世利益の仏です。
■飛天
飛天は、浄土の空を舞い、音楽を奏し、花を撒き、香を薫じて仏をたたえる天人です。女性的な姿であらわされることが多く、天女ともよばれます。羽衣伝説などでも知られています。
■弘法大師 空海
四国に生まれ、若くして入唐し、密教を学び、多くの経典、仏画、仏像、法具を日本に請来しました。帰国後、高野山を開創。今も多くの人の信仰を集めています。
■日蓮上人
日蓮宗の開祖。「南無妙法蓮華経」とお題目を唱え法華経に帰依することを説きました。生涯に数々の法難に遭いましたが、信仰を貫き、1282年に波瀾の生涯を閉じました。
■観経曼陀羅
当麻曼荼羅ともよばれます。「観無量寿経」に基づき描かれた、阿弥陀如来を中心とする極楽浄土図です。阿弥陀如来を信仰するものは極楽浄土に往生するといわれています。
■法華曼陀羅
法華経の世界をあらわした仏画です。中央宝塔内には釈迦如来・多宝如来が坐し、それを囲む八葉の蓮華には、法華経に登場する観音菩薩・普賢菩薩をはじめとする八大菩薩が描かれます。
■金剛界曼荼羅
大日如来を教主とする九種の曼荼羅が一つに集められた曼荼羅です。「金剛頂経」に説かれる仏の智慧をあらわしています。内観・凝集の極みに、金剛身をなし、即身成仏をなします。
■胎蔵界曼荼羅
大日如来の慈悲の光が世界の隅々にまで浸透してゆくさまをあらわす曼荼羅です。「大日経」の教えに基づき描かれています。悟りの世界への道を示してもいます。
■中台八葉院
胎蔵界曼荼羅の中央部分です。中心に大日如来、その回りを、宝幢如来、開敷華王如来、無量寿如来、天鼓雷音如来、の四仏と、普賢菩薩、文殊菩薩、観音菩薩、弥勒菩薩の四菩薩が囲みます。
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