第10話 明かされる事実1
第10話
『明かされる事実1』


美夜と付き合い始めてから3ヶ月…
それはいきなりのことだった…

「おーい、村上〜」

「…なんだ」

教室に入るなり、沢田が声をかけてきた。

「聞いてくれよぉ〜、昨日さあ…」

「…ああ」

そんないつもの会話をしていると、沢田がこんな事を言ってきた。

「お前さぁ…、最近変わったよな」

「…俺が?」

変わった?俺がか…??

「ああ。なんていうか……愛想が良くなったな」

「愛想?」

「前なんか、超無愛想って感じだったぜ」

「………」

「やっぱ、彼女ができると変わるもんだなぁ〜」

「…えっ!?」

どうして…、こいつがその事を知っているんだ?

「俺はちゃ〜んと知ってるぜ! お前が1年生の美夜ちゃんと付き合っているのを…」

だ、誰かまで知られているとは…

「………」

「照れるな照れるな」

「お、俺は…」

「村上にも春が来たんだな〜〜、ははは」

そう言って沢田はとっとと自分の席へ戻っていった。
………
まさか、沢田に知られているとは…


《 昼休み 》


「村上っ!!」

沢田が教室に飛び込んできた。

「…どうした?」

「どうしたもこうしたもねぇよっ! 美夜ちゃんが…」

「え?…美夜がどうしたって?」

「ああ…。美夜ちゃんが倒れたんだ」

「…!?」

なんだって…!?
美夜が倒れただと?

「どういうことだっ! 沢田」

俺はおもわず怒鳴ってしまった。

「ま、まぁ…落ち着け。詳しいことはわからないんだけどよ」

「………」

「体育の授業中に倒れたって話だ」

やはり…、美夜は体が弱いのか?

「貧血とかじゃ……ないのか?」

「そういう類じゃないらしいぜ」

「じゃあ、なんだ?」

「それがわかんないんだよ」

「…そうか」

理由は不明…
ま、まさか………な。

「それで、美夜は今どこに?」

「保健室に運ばれたらしい」

「………」

俺は沢田から美夜の居場所を聞くと、すぐさまそこに向かおうとしたが…

「おいっ! どこに行くんだ?」

沢田が俺を呼び止める。

「…美夜のところだ」

「美夜ちゃんの? でも、もうすぐ授業が始まるぜ?」

「…後は頼む」

「お、おい…」

俺は沢田の返事も聞かず、急いで保健室に向かった。






トップへ戻る 第9話へ 第11話へ