これまでの都市高速道路と違い、幹線道路や河川に沿うようなな民有地を避けるルートではなく、「大深度地下」を利用することで、これまではほぼ不可能に近かった住宅地などの人口密集地を貫く最短距離に近いルートになっているのが特徴です。
によると大深度地下区間の前後には4%の勾配が出来てしまう事が正式に分かりました。実はこの4%の勾配とは本線では少しきつめの勾配で、31号神戸山手線の神戸長田IC→妙法寺ICまでの上りトンネルも本線にしてはきつめの勾配ですが、あれで3%勾配です。阪神高速の4%勾配は私が知る限りでは5号湾岸線の東神戸大橋の深江浜IC付近と、港大橋ぐらいです。この橋については長くても数百m程度が4%勾配になっているわけですが、淀川左岸線では数kmにも及ぶ長さで4%勾配が続きますので、渋滞や事故ポイントにならないように工夫が必要だと思います。特にトンネルでは運転していても勾配という感覚が無くなりやすく、下り4%勾配はスピードがかなり乗ってしまう危険性があるので、オービスを複数台付けて速度超過を要注意させるのも有効かと思います。
◆(仮)豊崎IC〜大川付近
(仮)豊崎ICが淀川左岸線延伸部の起点となります。淀川左岸線2期区間の一般道路の
「都市計画道路淀川南岸線」への出入口として計画されていた部分が延伸部の本線となります。その為、2期区間から淀川南岸線への出入口については廃止されることになりました。さらに、このICの付近は2期区間の都市計画決定時は掘割になる予定でしたが、蓋をされて完全にトンネル化されます。
また、2期区間と同様に、淀川と並行する区間には一般道路の淀川南岸線が建設されます。
(仮)豊崎ICより東では淀川南岸線の地下を進みますが、この淀川南岸線が2車線で建設される事になり(現状の計画では4車線でしたが、淀川左岸線延伸部で交通需要をまかなえるという事で、豊崎より東の一般道路淀川南岸線は2車線に変更になるそうです)、淀川左岸線延伸部の本線もこの道路用地の幅に合わせる為に、トンネルを上下線で並行させず、東行きが上、西行きが下の上下2階建て構造にして、占有幅を狭くしたトンネルになります。(2階建て構造と記載していますが、開削トンネル区間では「上段:東行きトンネル、中段:避難路、下段西行きトンネル」となるようです) (仮)豊崎ICから天神橋付近までは開削トンネルで建設し、それより東はシールドトンネルとなります。
ちょうど12号守口線と交差する付近で大川を越えると、
友淵小学校の地下にあたりますが、ここから大深度地下を利用した区間になります。最大深度は70mにもなります。
(仮)豊崎IC〜大川付近は一般道路の直下⇔大深度地下を結ぶ坂道になり、最大深度70mまで潜る為か阪神高速道路の本線勾配としてはきつめの4%勾配になっています。、
↑豊崎出入口の一部廃止についての図(淀川左岸線2期都市計画変更についての説明会の配布資料より)
◆大川付近〜関目1丁目付近
大川を越えた付近で東行きと西行きを上下2階建てのトンネルから、それぞれ並行に配置されるトンネルになります。「友淵小学校」の地下からは南東向きに進み、
「地下鉄谷町線野江内代駅」の北側付近に向けてほぼ一直線に進み、駅の近くにある榎並小学校の北側の地下をかすめて、
「大阪市城東区成育3丁目12番地付近」の地下でゆるやかなカーブで東へ向きを変え、
「関目1丁目交差点」の北側に至ります。「城東区成育3丁目12番地付近」から東の区間は計画中の一般道路
「都市計画道路 都島茨田線」の地下を通る事にはなっていますが、この道路の完成予定は全くの未定で、現在は民家をはじめ
「ホームセンター コーナン関目店」のような大きめの商店もあり、特に着工を目指して用地買収を進めているような印象は受けません。尚、「都市計画道路 都島茨田線」は幅員がかなり広い道路で、この予定幅員の南端には、並行するように対面通行や一方通行の細い道が通っていますが、淀川左岸線延伸部の予定線はこれらの道路の地下ではなく、少し北側の道路では無い部分を突き抜けています。
◆関目1丁目付近〜花博記念公園西口交差点〜(仮)内環IC付近
「関目1丁目交差点」の北側からもそのまま一直線に東へ進み国道479号線(大阪内環状線)と花博通の
「花博記念公園西口交差点」に至ります。
大川を越えた付近からこの花博記念公園西口交差点までが「大深度地下」を利用する区間になり、住宅地や商店等の地下を貫きますが、用地買収が発生しません。
国道479号線(大阪内環状線)「花博記念公園西口交差点」から東は花博通の道路用地の下にトンネルが建設されます。「花博記念公園西口交差点」〜
「横堤4丁目交差点」付近まではシールドトンネルとなり、この交差点より東は開削トンネルとなります。ここには
(仮)内環ICが設けられ、東行きの入口と西行きの出口が建設されます。出入口は花博通の中央に作られ、地下に潜って本線と接続しています。入口の料金所は計画図を見る限りでは花博通から入って直ぐの部分に少し幅を広げた部分があるので、地上もしくは半地下に作られるようです。
↑(仮)内環IC
雑な絵ですが、ピンクが出入口の線形、青点線が本線を示しています。
出入口との接続部分はどうしても幅が広くなり、花博通の道路敷地幅ギリギリまで利用しています。
◆(仮)内環IC付近〜(仮)門真西IC〜門真JCT
「関目1丁目交差点」の北側からもそのまま一直線に東へ進み国道479号線(大阪内環状線)と花博通の
「花博記念公園西口交差点」に至 (仮)内環IC付近から東に進み
「花博記念公園前交差点」のすぐ東から掘割区間となりトンネルから出ます。掘割区間は花博通りの中央に作られ、既に空けられている中央の空間に収まるようです。トンネル出口から約250mほど掘割区間を東へ進んだ地点で今度は高架道路になります。この高架になったすぐ東で
(仮)門真西ICの出入口の合流分岐車線が本線両端に作られます。出入口は阪神高速道路の一般的な形ではありますが、ストレートに一般道路と接続せず、本線高架の下へ潜り込む形になり花博通の中央に出入口が設けられるようです。
(仮)門真西ICの東で
門真JCTに至ります。本線が第二京阪道路に直結し、近畿自動車道とも吹田方面、和歌山方面に接続します。
↑(仮)門真西IC
雑な絵ですが、ピンクが出入口の線形、青点線が本線を示しています。
出入口は本線直下の花博通の中央に設けられます。
この形は接続する(直下を通る)一般道路の中央分離帯付近に出入口高架道路の橋脚が作れる為、沿道の民家や商店への影響が少なく、8号京都線の伏見ICも似たような形状の出入口を採用しています。一般道路の端(歩道側)に出入口を作ると、高架の橋脚などで民家や商店の前が遮られるなどの問題が生じます。
上記のルートの説明で掲載した地図を1枚にしたものは下記になります。
淀川左岸線延伸部 ルート図(高速なページ作成)(jpeg形式 約3MB 2500×750ピクセル)
このルート図は当サイト(高速なページ)にて独自に作成したもので、国土地理院の「地理院地図」を編集・加工しております。個人趣味の範囲で情報を収集して作成していますので、実際の計画とは大きく異なる可能性がございます。また、記載内容の正確性については一切保証出来ません。
淀川左岸線延伸部は2017年度に事業着手される予定で、約15年後の2032年度開通予定です。
淀川左岸線延伸部の特徴でもある「大深度地下」の利用については前例が少なく、高速道路ではまだ大深度地下の開通区間はありません。この大深度地下は誰でも何処でも利用出来るものではなく、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」にて道路、鉄道、河川等の公共の利益となる事業にのみ利用が限られ、大深度地下が利用出来る地域も首都圏・中京圏・関西圏とかなり限定的な地域に限られており、利用するには認可が必要です。
関西では、神戸市の送水管の整備事業で短い区間ですが大深度地下で建設している例があります。道路では首都圏で世田谷区や練馬区の住宅地の地下を貫く東京外かく環状道路(大泉JCT〜東名JCT)がこの大深度地下を利用する予定で着工しております。
淀川左岸線延伸部は2017年度には事業に着手する見込みですが、開通予定が2032年度の予定ですので開通まで15年をかけることになります。恐らくはこの大深度地下のトンネルが大きな原因と推測されますが、トンネル技術も進歩しており阪神高速も既存の2号淀川左岸線、建設中の6号大和川線など着実に都市部のトンネル技術を磨いてきていますので、安全第一を厳守しながら工期の短縮が図られるのではないかと思います。
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