阪神高速道路 武庫川線
区間 |
武庫川町(大阪西宮線)〜宝塚IC(中国自動車道) |
出入口 |
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開通予定 |
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総工費 |
325億円 (阪神高速道路公団昭和48年度年報より) |
路線概要
昭和45年度に大阪西宮線(阪神高速神戸線)の武庫川と中国自動車道の宝塚ICを結ぶ区間10.4kmが新規事業として計画路線に加わり、昭和46年度には5億円の予算が計上されて武庫川町〜国道171号(甲武橋)間6.3kmの用地買収が計画されました。 しかし、昭和47年度には予算が計上されず、昭和48年度には休止扱いとされ、その後は計画路線から消えてしまいました。
◆阪神高速武庫川線 概略図
※ルートは年報等に記載されていた簡略的な路線図を参考にして推測で記載しております。
各年度の建設計画の予算
◆阪神高速道路公団昭和45年度建設計画
・武庫川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団昭和46年度建設計画
・武庫川線 予算:5億円
◆阪神高速道路公団昭和47年度建設計画
・武庫川線 予算:0円
◆阪神高速道路公団昭和48年度建設計画
・武庫川線 予算:0円
☆この年度では休止扱いとなり、その後は予算が計上される事はなく、事業中路線から「武庫川線」自体が削除されています。
神戸線との接続について
阪神高速武庫川線は着工どころか都市計画も決定されることもなく現在に至っていますが、武庫川で接続する予定だった3号神戸線は、この武庫川線との接続を考慮した造りになっているようです。阪神高速道路公団史(2005年発行)の「第8節大阪西宮線(西本町〜西宮IC) 3.工事概要」によると、『武庫川では、ラケット型橋脚の梁にSEEE工法のPC構造を採用して、将来の武庫川線による拡幅に備えた』という記述があります。どのような工法なのかは、専門家ではないので解りかねますが、恐らくは武庫川線との分岐・合流部分を既存の神戸線の本線を拡幅して対応出来るような構造で建設されたと推測されます。
計画が完全に止まってしまった経緯
近畿地区幹線道路協議会の歩みをまとめた、「幹線協の二十年」に掲載されている座談会「これまでの道路整備について」では、武庫川線の事について少し述べられており、『45年にいったん事業採択をされたわけですが、この年に環境庁ができまして、当時の環境庁長官が現場に見に来られ、こんな風光明媚な河川沿いに都市高速道路をつくるのはあまりよろしくない、ぜひ兵庫県知事にお願いしてこれを取り止めるようにしましょうということで、せっかく予算採択していただいたにもかかわらず、48年に白紙撤回ということで消えてしまいました。』(幹線協の二十年P160より抜粋)とありました。座談会での発言なのですが、どうも当時の環境庁トップの判断で武庫川線計画が止まってしまったようです。
このような事になった背景には、前述にもあったように環境庁が発足するなど日本全体で公害問題に対して非常に敏感になっていた当時の事情があるようです。武庫川線以外の当時の道路計画全体に言える事ですが、道路公団や行政等の道路を造る側と、道路が造られる側の沿線住民との間でのやりとりについて、今のように環境調査(環境影響評価)を行ったり、沿線住民や専門家の意見を集約するような仕組み(PI(ブリック・インボルブメント))がなく、多くの道路計画が住民の反対運動で暗礁に乗り上げる事態に陥りました。公害調停という制度もありましたが、道路計画においてのそれは双方の意見の述べ合いになってしまうようで、阪神高速でも公害調停の場に持ち込まれた大阪高槻線、泉北線はともに妥協点を見出せず調停が打ち切られています。
阪神間南北線(阪神間南北ライン)
阪神高速道路武庫川線は、昭和49年以降は路線図からも削除されておりますが、中国自動車道と阪神高速神戸線・湾岸線を繋げる道路構想自体は残り続けていました。昭和57年の近畿地区幹線道路協議会の「阪神都市圏における主要幹線道路網の計画-構想編(案)」で「阪神間南北ライン」という名称で武庫川線に近い構想が提案されており、「阪神間南北線」という名称で地域高規格道路の候補路線にもなっています。ただ、この「地域高規格道路の候補路線」については実現性の低い路線がほとんどで、特に関西の候補路線には廃止となった阪神高速道路泉北線の延伸や、かつての第二環状線構想の一部区間である阪神高速城東線などがあり、構想としては消えたといってもいい路線ばかりです。「阪神間南北線」についても今後も何も動きが無く、このまま消えていくものと推測されます。
しかし、平成10年頃までは構想の具体化に向けた動きがあり、詳細は 阪神高速道路 阪神間南北線を参照下さい。
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