大阪湾岸道路西伸部(湾岸線 西伸部)(一般国道2号線大阪湾岸道路西伸部)
 
区間
湾岸線 第8期区間
駒ヶ林南〜名谷JCT

湾岸線 第9期区間
六甲アイランド北出入口〜南駒栄JCT〜駒ヶ林南出入口


★2016年新規事業化区間★
六甲アイランド北出入口〜南駒栄JCT〜駒栄出入口
国の直轄事業で「一般国道2号線大阪湾岸道路西伸部」として整備

出入口
《平成38年開通予定区間》
◆六甲アイランド西ランプ(西行き入口・東行き出口)
六甲アイランド北側臨港道路に接続

◆ポートアイランド東ランプ(東行き入口・西行き出口)
ポートアイランド北側臨港道路に接続

◆ポートアイランド西ランプ(西行き入口・東行き出口)
ポートアイランド西側臨港道路(予定)に接続

◆駒栄ランプ(南駒栄JCT経由)(東行き入口・西行き出口)
神戸市道西出高松前池線に接続


《開通予定未定区間》
◆駒ヶ林南ランプ(西行き入口・東行き出口)


開通予定
六甲アイランド北出入口〜南駒栄JCT〜駒栄出入口
平成38年度開通予定


※南駒栄JCT〜名谷JCTについては都市計画決定済みですが事業化の見通しは未定です。

総工費
《平成38年度開通区間》
六甲アイランド北出入口〜南駒栄JCT〜駒栄出入口
約5000億円


《開通予定未定区間》
南駒栄JCT〜名谷JCT
約2000億円?
(※六甲アイランド北〜名谷JCTが最大で7000億円程度と推測されていたので、そこから単純に事業化の決定した5000億円を引いただけです。もとの7000億円もかなり昔の話なので、実質不明に近いです。)

路線概要(六甲アイランド北〜南駒栄JCT〜駒栄)
 阪神高速道路5号湾岸線の六甲アイランド北から第二神明道路との名谷JCTまでを結ぶ路線です。「大阪湾岸道路西伸部」という名称ですが、「阪神高速道路湾岸線」の西伸部にあたります。
 2016年に自治体による再三に渡る陳情の甲斐もあってか六甲アイランド北出入口〜駒栄出入口の新規事業化が決定しました。開通予定は平成38年度です。国の直轄事業として整備される為「一般国道2号線大阪湾岸道路西伸部」となっていますが、地方で見られるような高速道路のような無料のバイパスとかではなく、有料道路として整備されるので阪神高速道路となる見通しです。直轄事業ですが、もちろん規格は妥協なき2種1級(最高速度80km/h)で片側3車線(往復6車線)で、事業期間約10年、事業費5000億円のビッグプロジェクトとなります。31号神戸山手線の湊川JCTから南の区間も同時に整備され、今回事業化が決定した湾岸線西伸部と直結しますので、一般道路を経由することなく神戸市内を通過して明石方面へ抜ける大動脈となります。(これでハーバーハイウェイや臨港道路での渋滞ともおさらば出来ます!!)
 この新規事業化が決定した区間には、六甲アイランド〜ポートアイランドの間に長大橋が2つ、ポートアイランドと和田岬の間にも長大橋が1つ予定されており、都市高速では異例の長大橋だらけの事業で、まるで本州四国連絡橋をもう1ルート建設するかのうような感じになっています。おかげで、開通による経済効果が高いと期待されていますが、建設費が高過ぎて費用便益比が何と「1.01」という僅差で費用より便益が上回るギリギリセーフな図ったかのような数値になっています。2016年に新規事業化された他の道路は余裕で1.00以上(次に低い北近畿豊岡自動車道の豊岡道路でも1.1あります)なので、1.01な上に5000億もかかるこの計画がよく直轄事業なんて方法で通ったなという印象です。





長大橋について
 長大橋は神戸港の航路を跨ぐ為にスパン500〜600mのものが計画されており、完成すれば神戸の新しい観光スポットになりそうです。尚、イメージCGや説明図等では長大橋の箇所は斜張橋となっていますが、現在のところ未定の状態です。2016年の新規事業路線について評価を行う国道交通省社会資本整備審議会道路分科会第13回事業評価部会(平成28年3月10日)の議事録(PDFの外部リンクです)にも、斜張橋もするかも含めて検討が必要と国道交通省の高速道路課長さんが説明されているのが記されています。また以前より湾岸線西伸部の長大橋については、湾岸線西伸部橋梁の耐風安定性検討(「5径間連続吊橋の耐風安定化に関する研究業務(その2)」(PDF)より)というものや、「斜張橋主桁のコスト縮減策に関する検討」(PDF)がされており、そこでは斜張橋だけではなく5径間連続吊橋についても研究されています。どのような橋になるかは未定の状況ですが、通常の高架道路や橋梁と違い、観光スポットとしての期待もあるので、ある程度調査が進めて形状などデザインが決まれば報道機関等に何かしらの発表があるものと推測されます。


路線概要(駒栄JCT〜駒ヶ林南〜名谷JCT)
 湾岸線8期区間の駒栄JCT〜駒ヶ林南は前の区間から続く高架道路となりますが、駒ヶ林南〜名谷JCTはほとんどがトンネル構造です。駒ヶ林南〜名谷JCTについては湾岸線「8期区間」として、今回2016年事業化が決定した区間よりも早く既に平成6年9月に都市計画が決定していますが、現在は計画の進捗がみられていない状況で、事業化の見通しは未定状態です。この区間のさらに向こうというか延長上にある第二神明道路北線(神戸西バイパス)のさらに西で、「播磨臨海地域道路」という道路が構想中です。
 この「播磨臨海地域道路」は名前の通り明石市、加古川市、姫路市の播磨の臨海地域を通る道路で、道路の性格でいうと臨海工業地帯を結ぶ為、阪神高速道路湾岸線に近いものです。エリアに絞るとこの道路は文字通り播磨地域の道路でしかないですが、大阪府〜兵庫県という単位で見ると、泉州〜大阪〜神戸〜播磨という大阪湾の南から播磨灘を結ぶ一直線の巨大ネットワークを形成できるため、かなりの将来性を有していると言えます。また並行する第二神明道路や加古川バイパス、姫路バイパスは渋滞が頻発しており飽和状態なうえ建設から40年以上経っており、改修工事等を考えると、近い将来それらを代替するルートの候補として挙がる可能性があります。



阪神高速道路湾岸線西伸部のルーツについて
 2016年の3月にやっと新規事業化が決定した阪神高速道路湾岸線西伸部(六甲アイランド北〜南駒栄JCT〜駒栄)ですが、この計画は決してここ10年程度の間に構想されたものではありません。今から40年以上前に既に構想があり、昭和47年にはその原形とも呼べるルートが導き出されていました。その昭和47年当時は、現在の31号神戸山手線の原形である「山手線(資料によっては阪神山手線)」という路線が阪神間の山手沿いに東西に通り、さらにその南に現在の3号神戸線(正確にはその原形となる路線)、そして海側には計画されていた埋立地を結ぶ現在の湾岸線が計画され、この3本の路線で阪神間を結ぶ予定でした。
 無論、この計画は予定通りには行かず、まともに開通できたのは現在の3号神戸線のみで、湾岸線は開通出来たものの神戸市内の入口付近で途切れた状態のままで現在に至り、阪神間の自動車交通の大きな問題となっています。
(山手線が現在の神戸山手線のような南北の路線になった経緯は当サイトの「31号神戸山手線」の項目を参照下さい)


 湾岸線の初期構想で近畿地区幹線道路協議会で行われていた検討は下記の通りです。
(「幹線協の二十年」より概ね抜粋して記載しています)

・昭和44年9月 近畿地区幹線道路協議会計画調整部会
湾岸道路の性格と交通需要、幅員、構造、ルート、さらに第二湾岸道路(恐らく後の第二湾岸線と推測されます)を前提に考えるから1本で考えるか問題点が提起されました。
結果、当面は湾岸道路は第1線(現在の湾岸線)を対象に検討、神戸西部は須磨付近で国道2号線へ暫定的に取り付け、延伸部は次期構想として検討する事が決まりました。

・昭和47年10月 近畿地区幹線道路協議会計画調整部会
これまでに、現在の阪神高速道路7号北神戸線の原形である背山道路や山陽自動車道についてもルート等が検討され、阪神山手線(現在の31号神戸山手線の元の計画)に係わる調整で、神戸市付近の道路パターン図が示されています。そしてこのパターン図が現在の神戸市近郊の道路計画の原形となっています。


下記は昭和47年10月の近畿地区幹線道路協議会計画調整部会で示されたパターン図を元に現在の整備状況を加えて図にしました。






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