5号湾岸線の魚崎浜出入口には、出入口の道路をそのまま本線として延伸できるような構造物が残されています。この付近には以前、「東神戸線」または「東神戸トンネル」と呼ばれていた道路構想があり、5号湾岸線からトンネルで六甲山を南北に貫き、有馬の付近で阪神高速道路7号北神戸線に接続する構想でした。この構想は一時期神戸市議会などで議論されるなど具体化に向かってはいましたが、2006年には神戸市の助役が『昨今の阪高の民営化問題等いろんな諸情勢から,新たな道路として整備路線に位置づけていくということにつきましては,現時点ではなかなか厳しいなというふうな感想を持ってございます。』(平成18年第4回定例市会 会議録より抜粋)と発言されており、その後は特に議論等はされていない為、構想は休止もしくは消滅に限りなく近い状態だと言えます。魚崎浜出入口の構造物はこの構想に関連したもので、構想路線への接続の可能性を残したものだと推測されます。
しかし、まだこの魚崎浜付近では道路構想があり、それが5号湾岸線と3号神戸線を接続する渡り線で「東神戸渡り線」と呼ばれています。この渡り線構想については、構想図などで「魚崎浜」付近と推測される位置が示されており、推測の域からは出ませんが、この渡り線構想は、魚崎浜出入口の構造物を利用する事を見込んでのものだと思われます。ただ、渡り線構想は特に計画の具体化に進んでいるわけではありません。さらにこの付近の3号神戸線と5号湾岸線の間には工業地帯だけでなく住宅地が広がっており、環境問題や用地買収などを考えると実現性に乏しく、このまま消え行くものと思われます。
5号湾岸線には深江浜出入口には「出入口」とは別に用意された分岐準備箇所があります。六甲アイランド北では本線延伸の為の構造物、魚崎浜では推測の域からは出ませんが、「東神戸線」や「東神戸渡り線」といった道路構想に関連するものではないかと、根拠のある答えに近いものが出ましたが、深江浜には特に何か構想が示された事はなく、何の為の構造物かは100%推測のみしか出来ない状態です。
この深江浜には西行きの深江浜出口の高架道路に分岐を考慮したような不必要に拡幅された箇所がある他、東行きの入口には北側に高架道路を接続できるように桁側面に接続部分と思われるリブがあります。
↑5号湾岸線の深江浜出入口付近
マウスを乗せると分岐を考慮したと推測される構造物の箇所が表示されます。
↑西行き出口に分岐が、東行き入口北側は航空写真では分りませんが側面に高架桁接続を考慮したようなリブがあります。
マウスを乗せると分岐を考慮したと推測される構造物の箇所が表示されます。
↑西行き出口にある分岐準備箇所
拡幅されている部分の先端で、そのまま高架を延伸出来るような構造です。
↑西行き出口の分岐準備箇所と本線高架
深江浜出入口の高架下には阪神高速道路の管理事務所や関連施設があります。
↑5号湾岸線深江浜入口の高架北側の側面にある高架桁の接続を考慮したようなリブ
リブは西側が開くように斜めに用意されています。
↑深江浜入口の高架北側の側面
リブの向きなどから推測すると、東行きに入口の高架に接続するような構造が想定されていそうです。
↑深江浜入口の側面のリブのアップ画像
ボルト孔などは用意されておらず、橋脚も現状の桁の分までしかありません。
ここに高架桁を接続するなら新たに橋脚を建設するか、現状の橋脚を延長する形になりそうです。
◆深江〜深江浜の渡り線?
ここで一番考えられるのが渡り線です。他にも管理事務所への業務用の連絡道路やSAなどを計画していたのかもしれないと考えましたが、それなら他にも深江浜出入口の直下に不自然な空き地等が残っているはずですが、特に何もありません。出入口も既に両方向へと接続するもので、あとから増設する必要もないので、3号神戸線へむけた分岐線の可能性が高いと推測しました。深江浜の構造物からすると、東向きの片肺型のジャンクションのようで、そうなると3号神戸線は西向き接続する事が想定されます。
高速道路を新たに作るとなると用地や騒音の問題が必ず課題となりますが、この付近ではある意味好条件が揃っています。
まず、この深江浜出入口と3号神戸線の間には一直線に伸びる県道722号東灘芦屋線という6車線の幅の広い道路があり、拡幅する事無く高架道路を建設する事が出来そうです。その道路西側は東神戸港で倉庫や卸売市場がある程度で住宅はほぼ無く、高架道路を東側に出来るだけ寄せる事で、西側の住宅地とも距離をとる事が出来ます。
深江付近の3号神戸線は完全に住宅地に囲まれているわけではなく、県道722号より西側の深江出入口までは南側に大学と工場がある程度です。ここを用地買収するなら大変ですが、深江出入口を利用(もしくは出入口を廃止)して3号神戸線との分岐を作り、渡り線はその本線直上に建設してしまえば、ここも現在の道路敷地内に建設可能かと思われます。かなり強引な気もしますが、橋脚は43号線西行き車線南側の緑地に一本脚で建設し、渡り線は北側にある住宅地から離すために本線西行き車線の直上に2車線で通してしまえば可能なような気がします。
↑「深江〜深江浜の渡り線」がもしあった場合の推測図
もちろん、このような計画はありません。現状では既に交通量の多過ぎる3号神戸線への流入は避けたいのでこのような渡り線は不要と言えますが、5号湾岸線が全線開通後には、逆に3号神戸線の神戸市街地からの交通を5号湾岸線に誘導するためにこのような渡り線が必要な気がします。
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