今回、ベジェでのトルソー加工について解説致します。
ベジェでのトルソーやシャツに挑戦していたのは4年前になります、ええ言い訳です結構忘れています、必要とされることがあまりなかったので踏み込んでやらなかった訳です、展示演出がほとんどの作業ですので基本商品ありきです、商品写真もありますので商品モデリングにいかに時間をかけずに雰囲気を作れるかが仕事になります。
先日、商品図面3種からクライアントに提案する商品の3D画像を依頼されました、いや〜困りました素材感も含め私の今の実力で2日で3種描くのは価格とのバランスも考えるとかなり無理があります、ここは「精一杯やってダメならしかたなし」の精神でなんとか乗り越えました。
もう一度商品モデリングとテクスチャー作りに真剣に取り組もうかと迷っています、時間と費用とのバランスが合わないのと展示演出とのバランスも合わないからです、いや〜〜〜〜どうしましょうかネ〜、知識は豊富にこしたことはないですが〜〜
さて、言い訳はこれくらいにして解説始めます。


加工前に下準備

空想で描くもの以外、基本図面が必要です、でも図面があることは少ないので前面・側面・天面の写真を撮ってイラストレーターで描き起こします、トルソーぐらいでしたら前面・側面で加工できると思います、下図がイラレで描き起こした図です。


toruso女.jpg

押出しツールでの加工

前にも書きましたが、押出しツールでのベジェ加工には条件があります、面を押し出した場合ジオメトリー変換でベジェサーフェイスに変換するとプロジェクトウインドウの表示は「グループ」と表示されます、これは「ベジェメッシュ」と「ベジェ2D領域」とで構成されているためグループ化されているのです。
押し出した部分はベジェメッシュで加工できますが「ベジェ2D領域」部分は同時に加工できません、わかりにくいでしょ一度試してみてください「なるほど」と簡単に理解できます。
押し出したオブジェクトでジオメトリー変換で「ベジェメッシュ」になるのは面のない線の押出しオブジェクトだけです。
さて、左右対称シンメトリックな物が多いので半分作ってミラー加工します、トルソーも同様です。

新規プロジェクトにイラレで描き起こしたトルソーの前面側面図を読み込みます、グループを解除して前面・側面をそれぞれのグループにして側面図は90度回転させて図1のように配置し、ペン曲線ツールで面の無いラインを描きます、前面から見ればトルソーの半分、側面では全体がカバーされているRです、次に押出しツールで首の高さまで引き上げジオメトリー変換で「ベジェサーフェース」に変換、これで「オブジェクト編集」できるようになりました。(ベジェの加工のですから表示はアウトラインで)

図1            図2           図3
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「編集モード」でまずは正面の凹凸のある部分に「交点追加ツール」でベジェラインを追加していきます。(赤の矢印の縦ラインに追加)
次にトルソーの正面図の形状に沿わせるように「交点移動ツール」で移動させます、どうですここまではできましたか?イラレでベジェに慣れている方は楽な作業かも知れませんね、そうそう後でミラー反転しますので中心側の交点は縦のラインは動かさないでくださいね。(注)交点の追加は最小限にしてください、複雑になりすぎないようにしてください。
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正面はほぼできましたね、交点移動ツールでトルソーの曲線に合わせるため方向点を任意に移動するときはoptionを押しながら移動させてください。
パースで見るとこんな感じです思っているイメージと違うでしょ!複雑なことは後にして側面も図に合わせて交点移動していきます。
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側面の交点の移動がおよそできたら立体的な角度で見てみましょう、レンダリングするとこんな感じです。
まだまだヘンテコリンなところがあります三次元ですので天面からの方向線も移動させなければなりません、二次元と違いここからがちょいとムズイところです方向線の複雑さに慣れるのは経験を重ねるしかありませんね。(ちなみに、私はまだまだ迷っております)
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首の上部は傾斜した半円状です、天面の方向線を移動させていきますが幾十にも重なったベジェ曲線で間違いそうになります、時々パース視点で確認をしながら進めていきます。
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首から肩・腰部など角張ったRにならないように調整します、胸の前の交点は下げてRを調整するとなだらかなラインがでるようです。
さて、ほぼ全ての交点・方向線を何度も動かしながら調整していきます、個々の行程の説明は省略します、工程数が多過ぎて説明しきれないので試行錯誤を重ねてください、今回はあまり細かなデティールに拘らずおおざっぱに作業しました、ここまでおよそ半日でしょうか。
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レンダリングはこんな感じです、首のラインはちょいと気になりますが,およそこんな感じでいいでしょう(腕の部分はすこしフラットになっているだけなので省きました)
全ての交点・方向線はこんな感じです、ページがいっぱいになりました、この続きは近いうちに。
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